校長室だより

2024年3月の記事一覧

34 オーストラリア海外研修、無事終了! 令和5年度修業式

校長室だより「校長の呟き ~東の空から~」

 

34  オーストラリア海外研修、無事終了! 令和5年度修業式

                          令和6年3月25日(月)

 

 3月12日(火)から9日間の日程で、オーストラリア・ケアンズで海外研修を実施しました。希望生徒17名が参加し、ホストファミリーの皆様にお世話になりながら、様々なアクティビティと見学研修を行ってまいりました。参加した生徒にとっては、日本では決して体験できない、貴重な経験となったはずです。感じたこと、学んできたことを、ぜひ東高に還元していただきたいと思います。大変お疲れ様でした。

この研修に当たり多大なるご支援をいただいたオーストラリア関係者の方々、ホストファミリーの方々、全面的なご協力をいただいた保護者の方々、企画から実施まで綿密にサポートいただいた株式会社インターサポート様、関係各位の皆様に心から御礼申し上げます。

 

3月22日(金)は令和5年度修業式でした。1学年238名、2学年233名の皆さんが進級することになりました。おめでとうございます。生徒の皆さんの、この一年間の頑張りをたたえるとともに、令和6年度の活躍に期待したいと思います。

修業式の校長講話では、以下のこと(抜粋)をお話しさせていただきました。

 

令和5年度もあと1週間ほどで終わり、令和6年度がスタートします。今年度は皆さんにとってどんな1年でしたか。

 私は、昨年の4月に東高に来て、校長としてはゼロからのスタートで、毎日が今まで経験したことのない、新しいことの連続でした。本当にあっという間の1年だった感じがします。

 その中で、生徒の皆さんが部活動や学校行事、校外活動等の様々な場面で活躍している姿を見て、「自分も頑張ろう」と思ったことが、何度もありました。生徒の皆さんが、東高での生活をEnjoyしている姿が、私の元気の源であったと思います。

 皆さんも、家庭や学校生活で、嫌なこと、辛いこと、うまくいかないことはたくさんあると思います。落ち込むときもあると思います。その時に、どう踏ん張るか、乗り切るかなのですが、自分ひとりで頑張れないときは、ほかの人に助けてもらうか、もっと人を頼ってもいいかなと思います。

 我々人間は、年齢が上がるほど、「人を頼っちゃいけない」とか「自分で何とかしなくちゃいけない」、「甘えちゃいけない」という考えが強くなる気がします。私は、先生方に、わからないことがあったり、困ったことがあったりしたら、「助けて」、「教えて」、「手伝って」と言い合える職場にしていきましょうと言っています。先生方も、生徒の皆さんも、お互いに助け合える、協働して学び合える、仕事ができる学校になればいいなぁと思っています。全く自分で考えない、自分で努力せずに、人に頼ってばっかりではダメですが、本当に考えてもわからない、判断がつかないことは、わかる人に聞くのが私は一番だと思っています。

 皆さん、東高をお互いに助け合える学校にしていきましょう。

 

 次に、2年生の皆さんは、4月からいよいよ最上級生として東高を引っ張っていくこととなりますね。運動部の皆さんは、5月からは高校総体の予選も始まります。6月の県総体、7月の甲子園予選を見据えて練習を頑張っていくと思います。私も部活動の顧問をやっていた時、部員たちに「本当に3年生になったと思ったら、あっという間に高校総体となるよ。」と話していました。4月はいろいろ行事があって忙しいですし、新学期に慣れたと思ったら、GWとなり、高校総体の時期となります。自分やチームが納得できる、試合やパフォーマンスができるように、毎回の練習を大事にして、目標に向かって挑戦して下さい。

部活だけではダメですよね。皆さんの進路希望実現のための取組みも忘れてはなりません。これも1日1日の積み重ねが大事となってきます。毎日の授業を大切にして下さい。先日卒業していった先輩方も、一人ひとりが努力し、自分の進路を決定し、巣立っていきました。先輩たちを超えることができるよう、これも自分なりに挑戦し続けて下さい。

1年生の皆さんは、中堅学年となりますね。4月になって新入生を見ると、「1年前の自分」を思い出すと思います。あらたな環境に入ってきて、緊張している新入生に暖かく接してあげて下さい。声をかけてあげて下さい。皆さんが優しく、自分の1年前の経験を話してあげること、後輩の不安や悩みを聞いてあげるだけで、新入生は安心するでしょうし、新入生にとってはとてもありがたいことだと思います。これは、2年生の皆さんにも言えることですね。

 結びに、来年度も生徒の皆さんと先生方にとって、いい年になりますようお祈りいたします。

33  東日本大震災から13年、みやぎ鎮魂の日

校長室だより「校長の呟き ~東の空から~」

 

33  東日本大震災から13年、みやぎ鎮魂の日

                          令和6年3月12日(火)

 

 3月11日(月)は、みやぎ鎮魂の日でした。東日本大震災から13年経ちましたが、生徒の皆さん、先生方はそれぞれの3月11日を過ごしたと思います。本校では午後2時46分に、出勤している教職員が黙とうを行いました。

 3月12日(火)は生徒登校日で、12時から放送による全校集会を行いました。震災当時は3歳と4歳だった生徒の皆さんに対して震災の記憶を風化させないために、本校事務室の梶原次長さんにお願いして、講話をしていただきました。

梶原次長は、「能登半島地震に係る災害時学校支援チームみやぎ」として能登町教育委員会及び能登町内の小学校と高等学校に2月19日から2月23日まで派遣されました。今回、派遣された能登半島の様子や震災についての想いなどを話していただきました。

以下がお話しいただいた講話の内容となります。ご紹介いたします。

 

皆さんこんにちは。事務室の梶原です。2月19日から23日まで災害時学校再開支援チームの一員として能登半島へ派遣されました。短い期間の派遣だったことから、なかなか皆さんに詳細を伝えるのは難しいと感じていますので、今日は私の経験と思いを伝えたいと思います。

大災害となった「東日本大震災」の発生から、昨日で13年の月日が流れました。人々の記憶も年々薄れている現実がありますが、3月11日という日は、犠牲になった人々に追悼の意を表し、震災の記憶を風化させることなく後世に伝える日であることが定められており、あの日を思い出し・考え・伝え・そして繋いでいく重要な日だと考えています。

皆さんは、昨日どのように過ごしましたか?当時のことをはっきりと覚えている人、あまり覚えていない人を含めて、それぞれの3月11日を過ごしたと思います。その中で1月に起きた能登半島地震にまで思いを寄せた人はどれくらいいたでしょうか?自分たちの身に起きたことではなく、報道も徐々に少なくなってきていますので、どこか遠くの地で起こった出来事に捉えているかもしれませんし、現地の小中高校生の気持ちを自分の心に置き換えていない人もいるのではないかなと思ってしまいます。

そんな皆さんに少し思ってほしいことがあります。大震災の記憶が薄い人であっても、コロナ禍で色々と制限をされたことは確実に覚えているでしょう。楽しみにしていた学校行事、部活動、家族や友達との楽しみが、ことごとく制限された苦い思いが心にあると思います。昨年からコロナによる制限も大幅に解除され、様々な活動が制限なく送れる日常になっています。

しかし、皆さんの同世代である、能登半島地震で被害を受けた地区の小中・高校生は、地震被害により、様々な活動に制限を加えられています。実際に私が訪問した能登高校でも部活が中止になっていました。また、特別教室棟は避難所になっており、実験や実習の授業は行えない状況でした。

もう一つ訪問した小学校は体育館が壊れ、校庭も地割れの被害があるため、体育の授業は行えない状況でしたし、特別教室も多数の被害があるため、理科や音楽の授業も制限されています。別の学校では、これから校庭に仮設住宅が建つ学校もありますし、体育館が壊れているため、卒業式を校舎内のせまいランチルームで行う中学校もあります。

もし、またコロナ禍の時のように、様々な活動に制限を加えられる日常に戻るとなったら、皆さんはどう思いますか?もう二度と戻りたくないと思う人が大半でしょう。能登で被害を受けた地区の皆さんは、そんな日々がまた戻ってきているのです。そしてこれからもしばらく続いていきます。そう思えば、少しは被災された方々へ思いを寄せていただけるでしょうか?直接の援助はできなくても、被害を受けた方々へ思いを寄せること・気持ちを考えるということは、大事なことだと思います。

みやぎ鎮魂の日に際しての全校集会となります。東高の生徒の皆さんが、みやぎ鎮魂の日というものの意味を考えていただき、そして今よりもう少しだけ、能登半島の人々へ気持ちを寄せていただけることを願って、私の話を終わりたいと思います。

32  第35回卒業証書授与式

校長室だより「校長の呟き ~東の空から~」

 

32  第35回卒業証書授与式

                          令和6年3月4日(月)

 

 先週の3月1日(金)、卒業式が行われました。たくさんの保護者の方々と御来賓の皆様の御参加のもと、英語科36名、普通科196名の卒業生(35回生)が巣立っていきました。卒業生の皆さんが、これから自分らしい、素晴らしい人生を歩んでいくことをお祈りいたします。

 卒業式の校長式辞でお話しした内容を抜粋して、以下に記載いたします。

 

皆さんが新しい生活に旅立つにあたり、私からお伝えしたいことがあります。それは、「他者へのリスペクトを忘れずに生きていってほしい」ということです。現代社会は、個が尊重される時代であり、一人ひとりの個性や考え方、生き方が尊重されると同時に、仲間とともに活動する、協働が求められている時代でもあります。個人が尊重されつつも、他者とのかかわりが求められているのです。他者をリスペクトすることで、相手との信頼関係を築き、より良い人間関係を築くことができます。お互いに尊重し、支え合い、ともに成長していくこともできると思います。リスペクトは、差別や偏見をなくし、多様性を尊重する社会をつくるために不可欠な要素です。

十人十色という言葉があるとおり、他者の考えや感じ方は自分と同じとは限りません。自分の考えを押し付けたり、相手の考えを否定したりするだけでは協働はできません。相手の意見や考え方に耳を傾け、尊重することは自分自身の幅を広げることとなり、自分自身の成長につながるのです。

グローバル化が進み、人工知能のAIが人類を脅かす存在となりつつある現代社会においては、異なる文化や価値観を持つ人々と共存していくことが求められます。リスペクトは、異なる価値観を持つ人々と理解し合い、協力していくために必要不可欠なスキルであると考えます。

経済産業省が令和4年に発表した未来人材ビジョンによると、これからの教育には新たな未来をけん引する人材を生み出すことが求められているそうです。その人材とは、「好きなことにのめり込んで豊かな発想や専門性を身に付け、多様な他者と協働しながら、新たな価値やビジョンを創造し、社会課題や生活課題に『新しい解(答え)』を生み出せる人材である。」とのことです。ぜひ、皆さんがそのような人材となって、社会に貢献していただくことを期待します。

結びになりますが、本日、この学び舎を巣立っていく一人一人が、保護者の方はもちろん、これまで支えていただいた多くの方々への感謝を忘れずに、これから社会に出て大いに活躍し、自分らしい、豊かな人生を送ることを心から祈念いたします。

あわせて、皆さんの母校、仙台東高校が、今後も更なる発展を遂げていくために努力していくことをここに誓い、式辞といたします。

令和6年3月1日

宮城県仙台東高等学校 校長 藤垣庸二