校長室だより

2022年6月の記事一覧

36.教育実習 ~先輩と先生~

 6月22日(水)から教育実習が始まっています。数学,理科,保健体育,地歴それぞれ一人ずつに,公民が二人の合わせて六人です。期間は2週間,3週間と異なりますが,共通しているのは全員が東高の出身だということです。皆さんの「先輩」でもあり,授業で教わる「先生」でもあります。教える側も教わる側も東高としてとても栄誉なことだと思います。この出会いを大事にしてください。呼び方は「○○先生」かな。

 先週末,仕事のことで二人の先輩に来室していただき,久しぶりに話しができました。お二人とも元校長だった方々ですが,私は「○○先輩」とお呼びしています。お二人も私を「○○さん」「○○ちゃん」と呼んでいます。先生と呼ばれるほどいやな言葉はないと東北出身の文豪が書いていますが,人は必ずしも敬意を込めて「先生」と呼んでいるわけではないことを覚えておくようにと高校の国語の授業で当時の先生から教わったことを思い出します。私は二人の先輩も,高校時代の国語の先生のことも尊敬しています。

 さて,気がつけば水無月もあと数日。084運動も多い週なので,できる限り校門に立って挨拶します。

令和4年6月27日 山内

35.充実した日  ~東高は一人一人が主役です~

 定期考査4日間が無事終了しました。昨年の共通テストや最近の国立大の大学院入試等での不正行為を踏まえ,今年の入試は厳しい制限が予想されることから,その予行練習も兼ねてスマートフォンやスマートウオッチの取り扱い等について厳しい対応を求めましたが,東高生諸賢は誰一人不平不満を言うこともなく,学校側の対応に理解を示し,正々堂々と戦ってくれました。結果よりその内容,その過程です。ありがとう。

 考査が終わると,3年生は中庭で卒業アルバム撮影。一人一人が思い思いのポーズ。主任の福盛田先生はじめ3年生教師団も良い笑顔。アルバム写真は年を重ねるごとに深みを増していきます。

 アルバム撮影が終わるやいなや,課外担当の暁子先生に3年生受講者に話しをするように言われていましたので,少しだけ話をしました。国文室でも言ったとおり,課外は「先生方・学校を信じて最後までやりきること」です。かつての課外の鬼が言うので保証します。「継続は力なり」「信は力なり」間違いありません。

 お昼後,保厚部長渡辺先生企画の「救急救命講習会」が剣道場で開催。運動部のマネージャーや運動部の先生方を中心に40名ほどの受講者。私が顔を出しに行きましたなら,なぜか大爆笑。実は校長が倒れたという想定で,受講者全員が「校長大丈夫ですか。」とAED用の人形に対して実演中だったからです。講師の木村先生は私が教育行政に行く前最後の年に学校現場で一緒だった方。十数年ぶりに再会しました。

 夕方,体育館とグラウンドに行きました。野球部は今週末に組み合わせがあるから,まだまだ戦いは先ですが,もしかすると団体競技のバスケットやハンド,サッカー等はもう新チームでリスタートですかね。充実した日でした。

 

令和4年6月21日 山内

34.東北総体陸上 高校生弁論大会  ~様々な壁~

 青森の地で陸上部の3選手が東北大会での戦いを終え,東高にも戻りました。混成8種の鈴木選手は8位,やり投げの高城選手は10位,三段跳びの高泉選手は13位とあと一歩で全国大会出場はなりませんでしたが,仙台東高の名を東北大会に刻んでくれました。悔しがる選手を見て,もっと選手を伸ばせたのではないかとベクトルを自分の方に向けた大堀監督からは選手を称えてほしいとの報告を得ました。良い選手に良い指導者。東高運動部はこれからますます楽しみです。それにしても東北大会の壁は高く厚いのですかね。

 同じく本日,国際部長の山口先生から3年生の梁競元さんが,第22回高校生日本語弁論大会宮城県大会で堂々の優秀賞(第2位)を受賞したとの報告を受けました。1位だけが出場できる東北大会まであと一歩でした。演題は「壁」。素晴らしい弁論だったということです。今度詳細を紹介します。東高生輝いています。

 令和4年6月20日 山内

33.通学マナーアップ・定期考査・東北総体陸上 ~PTAの方々のご協力~

 先週11日にはPTA役員会が開催されました。ありがとうございました。今週に入ってからは,通学マナーアップ運動期間中でもあり,生徒昇降口にPTAの方々にもお立ちいただいて,生徒にお声がけいただきました。こちらも心から御礼申し上げます。昨日は進路説明会に多くの3年生保護者等の皆様においでいただきました。「PTA週間」のようでした。ご協力に改めて感謝いたします。本当にありがとうございました。

 定期考査中,部活動もなく,静かな東高ですが,青森の地で陸上部の3選手が四国IH目指して陸奥の猛者たちと戦いを繰り広げているはずです。大堀監督からは選手の体調も良いと報告受けました。結果よりも,ベストを尽くして無事に競技を終えてくれることを祈っています。保護者の方々もきっと同じお気持ちかと思います。

 2校時のテストを終え,開放感から勢いよく下校したいところ,3校時の考査受験者への配慮で静かに帰る東高生には「気配り目配り心配り」が感じられてすごくうれしくなります。考査はあと二日,ベストを尽くしましょう。

令和4年6月17日 山内

32.総体報告会・次大会の壮行会 ~スポーツの魅力の一つ「負けを知ること」~

 昨日の総体報告会,各部とも体育館にいる2・3年生と先生方に,また,オンラインで,教室で見ている1年生と先生方に大きな声で周囲への感謝を述べていて,立派な立ち振る舞いで安心しました。水泳部・野球部・東北大会に進む陸上部の決意も並々ならぬものがありました。見ている側の東高生も立派でしたね。

 

 さて,昨日の講話の答え,スポーツの魅力の一つ「負けを知ること」についてです。スポーツには勝ち負けがつきまといますので,「勝者がいれば敗者もいる」「試合で勝つための努力はするが,負けるための努力はしない」「努力しても負けることがある」「試合で勝つとうれしいが,負けると悔しくてたまらない」と当たり前のことを並べましたが,ここからが本論です。

 

 皆さんも経験があると思いますが,『勝者には人は集まりますが,敗者にはなかなか集まりません』勝った時には見ず知らずの人も寄ってきますが,そんな人たちは負けた時には手のひらを返したように来なくなります。つまり,『負けたときに寄ってきてくれる人が本当の友』となります。勝った時より,『負けた時に本当の自分と向き合う』ことができます。これは自分にしかわからないことです。競技を続けるか,あきらめてやめるか,真剣に悩むこともあるはずです。学年や年齢制限がある場合は別として,『負けてもあきらめなければスポーツは続き』ます。自分だけではありません,周囲に対しても同じです。負けた時にこそ,家族,友人,チームや指導者に感謝するのです。つまり,『負けたときの立ち振る舞いがその人の本当の価値を決める』ことになります。負けた時に他人のせいにしないで,自分自身にベクトルを持ってきて再び立ち向かおうとする個人・チームは必ず強くなります。人間的に大きく成長します。負けた時にその逆の行動をとると,その個人・チームは弱体化していきます。私にも苦い経験があります。

 

 負けた時に相手を称える気持ち。勝った時に相手を尊敬する心。負けを知った者だからこそ『勝った時は謙虚に』『負けた時には潔く』行動できるかどうかです。『一生懸命に練習に打ち込んで,一生懸命に戦って,それでも敗れた者だけが味わえるスポーツの魅力の一つ』,それが負けを知ることです。

令和4年6月10日 山内

31.総体後半戦結果速報 ~目標と目的の違い~

 総体の後半戦がやっと終了しました。雨天により,ソフトテニスが大幅に後ろに延期され,昨日やっと終了しました。各部の活躍は新聞等でも大きく取り扱われます。後半戦の多くは団体競技でした。女子ハンドボール部の県第3位をはじめ,2勝してベスト8入りした女子テニス部やベスト16入りした男子バスケットボール部。1回戦を突破した男子テニス部,男子ハンドボール部,7人制で男子ラグビー部やバドミントン部,ソフトテニス部等,勝ちを味わえた部もあれば,残念ながら負けを知ることとなった部もありました。改めて言いますが,結果も大切ですが,同じようにその姿勢・過程も大切なのです。何よりも無事に出場できたことが最優先です。

 各部とも目標は優勝,ベスト○等「勝つこと」だったと思いますが,目的まで勝つことではなかったはずです。

自校・他校の選手と切磋琢磨したこと,家族や周囲への感謝を口にできるようになったこと,生涯の友を得たこと等「人間的な成長」が目的だったと思います。船の航海に例えるなら,目標は時間通りに目的地に着くことですが,目的は目的地が違っていても安全に陸地に着岸することです。

 3年生は2年前に総体で試合することすらできなかった先輩たちのことを覚えていると思います。先輩たちに今回の報告をしてください。総体ができたことに感謝してください。試合に負けましたが,その後オフィシャルとして運営に一生懸命な東高生を見ました。とても誇りに思いました。

 

令和4年6月9日 山内

30.6月「水無月」 ~40年前の授業の記憶~

 どんなに時間が無くともなんとか作って,一日一回りは教室・体育館・グラウンド等授業を回り,邪魔にならないように東高生の様子を見ています。まあ当たり前ですが,担当教科,クラス,先生,そして生徒によって見事に違うものです。それぞれに個性があって素晴らしいことです。公開期間でしたので,私以外でも授業を参観する先生方がいたと思います。授業公開期間は終了しても,授業の相互見学は続きます。ルールはひとつ「批判したり邪魔したりしない」ということです。

 

東高には生徒がものまねしたくなるような個性的な授業を行う先生がたくさんいます。私の高校時代は40年ほど前,男子だけの学校でした。先生たち一人一人が個性的すぎて,大変でした。口癖をまねるだけで,全校生の誰もがすぐわかるような特徴的な先生たちでした。でも一人一人の専門性が高く,とても知的で,知的好奇心旺盛な田舎の高校生たちを刺激してくれました。口癖もさることながら,心に残る授業は40年経っても忘れないものです。今日から6月,水無月です。「水無月」について,40年前に現代文でも古典でもなく,日本史で教わったことを紹介します。

 

「水無月」は水が無い月ではない。水の月。田んぼの水や雨の水。ダジャレのように,稲作のために皆で力を出し尽くした月。田んぼにありとあらゆる水が無くなるくらい使った月。つまり,田植えや雨季を表すという説。  

逆に水が無い月であるという説。旧暦6月は現在の8月ごろであり,カンカン照りで雨が無く,すべてが干上がってしまう月。どちらを採用するかは自分次第。他にもいろいろな説があるから自分で調べると良い。それと今の時期はあじさい(紫陽花)が咲く頃。あじさいは,小さい花が集まって咲いている。だから家族やクラスの団結や和気あいあいに例えられる。あじさいは花の色にもそれぞれ意味があるから調べてみると良い。

 

今でも覚えている授業。今では禁止している学校もあるそうですが,当時はあだ名が全盛。この日本史の先生はクイズ番組回答者の大学教授に似ていて,かつ,博学で知的なことから,○○教授と呼ばれていました。あじさいの「紫色」は東高のスクールカラーです。意味は「謙虚」です。水田に囲まれ,紫色のセーター姿の東高生を見ると,当時のことが思い出されます。

 

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 令和4年6月1日 山内