校長の呟き ~東の空から~
32 第35回卒業証書授与式
校長室だより「校長の呟き ~東の空から~」
32 第35回卒業証書授与式
令和6年3月4日(月)
先週の3月1日(金)、卒業式が行われました。たくさんの保護者の方々と御来賓の皆様の御参加のもと、英語科36名、普通科196名の卒業生(35回生)が巣立っていきました。卒業生の皆さんが、これから自分らしい、素晴らしい人生を歩んでいくことをお祈りいたします。
卒業式の校長式辞でお話しした内容を抜粋して、以下に記載いたします。
皆さんが新しい生活に旅立つにあたり、私からお伝えしたいことがあります。それは、「他者へのリスペクトを忘れずに生きていってほしい」ということです。現代社会は、個が尊重される時代であり、一人ひとりの個性や考え方、生き方が尊重されると同時に、仲間とともに活動する、協働が求められている時代でもあります。個人が尊重されつつも、他者とのかかわりが求められているのです。他者をリスペクトすることで、相手との信頼関係を築き、より良い人間関係を築くことができます。お互いに尊重し、支え合い、ともに成長していくこともできると思います。リスペクトは、差別や偏見をなくし、多様性を尊重する社会をつくるために不可欠な要素です。
十人十色という言葉があるとおり、他者の考えや感じ方は自分と同じとは限りません。自分の考えを押し付けたり、相手の考えを否定したりするだけでは協働はできません。相手の意見や考え方に耳を傾け、尊重することは自分自身の幅を広げることとなり、自分自身の成長につながるのです。
グローバル化が進み、人工知能のAIが人類を脅かす存在となりつつある現代社会においては、異なる文化や価値観を持つ人々と共存していくことが求められます。リスペクトは、異なる価値観を持つ人々と理解し合い、協力していくために必要不可欠なスキルであると考えます。
経済産業省が令和4年に発表した未来人材ビジョンによると、これからの教育には新たな未来をけん引する人材を生み出すことが求められているそうです。その人材とは、「好きなことにのめり込んで豊かな発想や専門性を身に付け、多様な他者と協働しながら、新たな価値やビジョンを創造し、社会課題や生活課題に『新しい解(答え)』を生み出せる人材である。」とのことです。ぜひ、皆さんがそのような人材となって、社会に貢献していただくことを期待します。
結びになりますが、本日、この学び舎を巣立っていく一人一人が、保護者の方はもちろん、これまで支えていただいた多くの方々への感謝を忘れずに、これから社会に出て大いに活躍し、自分らしい、豊かな人生を送ることを心から祈念いたします。
あわせて、皆さんの母校、仙台東高校が、今後も更なる発展を遂げていくために努力していくことをここに誓い、式辞といたします。
令和6年3月1日
宮城県仙台東高等学校 校長 藤垣庸二