校長の呟き ~東の空から~
58.「明日から霜月」 ~東高とキリバス,世界はつながっています~
10月は校内では学校公開,球技大会に生徒総会が,校外でも各種大会・コンクールと様々な行事がありました。速く感じられたとある3年生が言ってましたが,みなさんはいかがだったでしょうか。
さて,29日(土)の朝日朝刊,本日31日(月)の河北朝刊で報じられましたが,28日(金)国文室にて英語科講演会が開催されました。講師はケンタロウ・オノさん。皆さんの先輩です。仙台出身のケンタロウさんは,東高英語科在学中に単身でキリバス共和国に留学されました。キリバス大統領の補佐官や名誉領事を歴任され,現在は日本キリバス協会代表理事をなさっています。
キリバスの正装で流暢な英語で語り始めたときは,東高生はもちろん,私たち職員も度肝を抜かれるくらいの強烈なインパクトを受けましたが,優しいお人柄と後輩たちを思うお気持ちから少々の母国語も使われて「キリバス共和国と地球温暖化」~東高からキリバスへ~という演題の,あっという間の2時間でした。最後は東高生がケンタロウさんを困らせるような質問にも笑顔で答えてくれました。地球温暖化による気候変動で,もしかすると,数年後にはキリバスがなくなってしまうかもしれないという講演はショッキングなものでもありました。
では,我々に何ができるのか。まず,英語科がある東高にいるということは,「多様性を受け入れるということ」を大事にしてほしい。日本は「食べ残し,売れ残り等の」食品ロスが世界的にも上位だということ。「いただきます・ごちそうさま」と言っておきながら,お肉でも・お野菜でもその大事なライフをいただいていることを忘れていること。道ばたのプラゴミ一つ拾うだけで,風に飛ばされ名取川から太平洋を経由してやってくるキリギスの海岸を救うこと。つまり,自分の身近にあって,当たり前にできることが,グローバル化につながるという,東高生が日頃取り組んでいることを改めてお話いただいたことに本当に感動しました。ケンタロウさんありがとうございました。東高のみなさんは素晴らしい先輩を持ってますね。
明日から霜月。季節は一気に進み,寒い冬へと向かっていきます。11月はグローバル週間に芸術鑑賞,中間考査,2年生は修学旅行もあって盛り沢山です。一日一日を大事に過ごしましょう。
令和4年10月31日 山内