校長室だより

校長の呟き ~東の空から~

6 1学年英語科合宿、無事終了!

校長室だより「校長の呟き ~東の空から~」

 

6 1学年英語科合宿、無事終了!

                            令和5年5月24日(水)

 

 5月17日(水)~18日(木)に、福島県岩瀬郡天栄村にあるブリティッシュヒルズにおいて、英語科1学年全員が参加する英語科合宿が行われました。

 2日間、生徒の皆さんは英国の雰囲気に触れながら、ALL Englishで多くのアクティビティに取り組みました。中には、テーブルマナーを学ぶためのフルコースディナーもありました。

 生徒の皆さんが書いた感想を見ましたが、多くが「最初は不安だったが、スタッフの皆さんが親切に接してくれて楽しく活動できた。」「自分の英語力が上がっていくのを感じた。」と書いており、私はとてもうれしく思いました。生徒の皆さんの英語の授業への取り組みが、この合宿を機会に変わるのではないかなと期待しております。

 学校に帰ってきた生徒の皆さんの表情を見ましたが、みんな疲れた表情でした。「充実した、密度の濃い学習だったんだなぁ。」と私は思いました。英語科1年40名の皆さんと引率の先生方、大変お疲れさまでした。

 

 5月23日(火)の放課後には、台湾の永慶高級中・高等学校との交流会が本校で開かれました。永慶高校は郭春松校長先生をはじめ生徒26名、合計30名で訪問していただきました。午前中に宮城野高校を訪問、その後震災遺構荒浜小学校を見学しました。その見学では、本校の英語海外文化部の皆さんが永慶高校の皆さんを案内してくれました。TBC東北放送からの取材も受けました。下記URLで、その様子をぜひご覧ください。

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/tbc/500918?display=1
(上記URLを範囲指定して右クリックし、ハイパーリンクを開くを選ぶと該当ページが表示されます)

その後、永慶高校の皆さんはバスで移動し本校を訪問。本校にはわずか1時間の滞在でしたが、英語海外文化部員や茶華道部、文芸書道部の皆さんが、お点前体験を披露したり、部活動を見せたりしてくれました。国際部の先生方、交流会に係わってくれた生徒の皆さん、ありがとうございました。

 

コロナウイルス感染症が感染症法第5類に引き下げられたことによって、本校の特色の一つである国際教育の活動が再開されつつあります。本校の目指す学校像の一つ「英語教育と国際交流・国際理解教育に力を入れている学校」の実現に向けて努力してまいります。

5 「しおかぜ編集委員会」、「EAST委員会」ありがとうございました。

校長室だより「校長の呟き ~東の空から~」

 

 

5 「しおかぜ編集委員会」、「EAST委員会」ありがとうございました。

                            令和5年5月17日(水)

 

 5月13日(土)本校会議室で、PTA会報誌「しおかぜ」の編集委員会が開かれました。そこでは、夏休み前に発行する「しおかぜ」第71号の編集について話し合いをしていただきました。委員会の冒頭でもお話しさせていただきましたが、この「しおかぜ」は、学校の様子をPTA会員の皆さんに伝えていただく、とても重要な役割を持っていると、私は思います。素晴らしい会報となるよう、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 同日、第1回EAST委員会(PTA役員会)も開催されました。様々なことが話されましたが、役員の皆さんから本校生徒の自転車のマナーアップについて貴重なご意見をいただきました。PTA役員の方々はもちろん、保護者の方々のご協力をいただきながら、登下校時の安全について生徒の意識向上策を考えていきたいと思います。

 

 5月16日(火)の6校時に、県総体壮行式が行われました。選手の皆さんに対して激励の言葉を述べさせていただきました。いつもどおり、「結果よりその過程」も話をさせていただきました。選手の皆さんは、自分たちの取り組んできた「過程」に自信を持って大会に臨んでほしいと思います。男子バレーボール部の主将と副主将の選手宣誓も力強いものでした。私が選手宣誓前の移動を忘れて、宣誓のやり直しをさせてしまうハプニングがありましたが、笑顔で対応してくれました。感謝です。

 また、この行事も生徒会の皆さんが、主体的に企画調整と運営に取り組んでおりました。いつもながら、素晴らしいことと思います。以前にも書きましたが、「高校生活の各行事運営は、生徒による自主運営であることを継承する」。このことを継承していってください。

4 GWが終わりましたね。

校長室だより「校長の呟き ~東の空から~」

 

 

4 GWが終わりましたね。                                                                        令和5年5月8日(月)

 

 大型連休が終わりました。GW明けの月曜日は、前日からの雨が引き続き降っており、先生方の通勤や生徒の皆さんの通学も大変だったのではないでしょうか。

こんな雨の日の通勤・通学は憂鬱ですよね。傘をささなくてはならないし、道路は渋滞だし、私たち大人でも「今日は行きたくないなぁ・・・」と思ってしまいます。生徒の皆さんもそうではないでしょうか。

こんな憂鬱な朝でも、生徒の皆さんが「学校に行きたい!」と思うような学校でありたいと、私は常々思っています。生徒の皆さんが学業を頑張りながらも学校生活を楽しめるように、学校づくりを進めていきたいと考えています。

 

私のGWは、バスケットボール漬けでした。私は審判員のインストラクターをやっており、全国から集まる上級審判員を目指す方々の「審査会」に審査員として参加しました。今更ながら感じることは、「人が人を評価することの難しさ」です。

 

本校の先生方も、「教育のプロ」として同じ難しさを感じていると思います。「指導と評価の一体化」と言われていますが、評価をすることは、目標達成に向かって努力を重ねている人に対して、納得のできる、次のステップへのモチベーションを高める評価であること大切です。さらに、評価者が自分の指導方法を振り返ってバージョンアップすること、指導目標を再設定することも必要となってきます。

このように評価はとても難しいことですが、先生方個人で試行錯誤していくことはもちろん、各教科会でも十分検討してまいりますのでよろしくお願いいたします。

 

GW最終日の5月7日(日)は、本校男子バスケットボール部の県高校総体地区予選を見に行きました。結果は残念でしたが、次の試合で県総体出場を決めることを願っています。

他の部活動も、GW中に地区予選や練習試合、強化練習等、大変お疲れさまでした。

いつもお話ししていることですが、結果よりも目標達成に向けての努力過程を大事にしてくださいね。

4.28 運動会 無事終了

校長室だより「校長の呟き ~東の空から~」

 

 

3 運動会、無事終了!          令和5年5月1日(月)

 

 今日から5月です!新緑がきれいな、過ごしやすい季節となりました。新年度のスタートから1か月が経ちました。新入生の皆さんも部活動登録も終了し、学校生活に慣れはじめて元気に過ごしています。

 

 さて、先週の4月28日(金)に、本校の学校行事である「運動会」が開催されました。私は当日出張が重なり、残念ながら参加はできませんでしたが、運動会実行委員の皆さんや係の先生方が中心となり、大きなけがや事故もなく無事終了したとの報告をいただきました。生徒の皆さん、先生方、大変お疲れさまでした。

 この運動会の目的は、「①クラスの団結を固めること ②先輩・後輩の連携を深めること ③東高生としての士気を高めること」です。年度始めの4月に開催する意義が十分に感じられる目的だと思っています。さらに、「高校生活の各行事運営は、生徒による自主運営であることを継承する」とされています。

 私は、学校行事の企画や運営を、生徒の皆さんが自主的に行っていることがとても素晴らしいと思っています。ぜひ継承していってください。

 運動会実行委員の皆さんや生徒会の皆さんの活躍、そして全生徒諸君の「Enjoy」している姿を見ることができなかったのがとても残念でした。来年の運動会はぜひ見たいと思います。

 

 4月29日は、硬式野球部の春季中部地区大会を見に行きました。結果は残念でしたが、最後まで粘り食い下がっていく姿勢は素晴らしかったです。夏の甲子園予選での巻き返しを期待しています。

 これから運動部は県高校総体に向けて、地区大会や練習試合等、最後の頑張りの時期と思います。体調管理に十分注意しながら活動してくださいね。

 

通学マナーアップ・084運動

校長室だより「校長の呟き ~東の空から~」

 

 

2 通学マナーアップ・084運動                                                    令和5年4月17日(月)

 

 新学期のスタートに合わせて、「第1回通学マナーアップ」が先週4月10日(月)から14日(金)まで行われました。マナーアップ期間は1週間、年7回行われる予定で、「地域の交通事情を把握し、地域内の交通事故防止と生徒の安全意識を高める」という目的で行われています。

学校の周りだけで行っているのかなと思いましたら、①井土浜T字路交差点、②ダルマ薬局沖野店付近、③ロリホップ幼稚園付近、④学校北側十字路、⑤テニスコート南十字路、⑥大久鮮魚店付近、の計6か所で行っているとのことでした。先生方に感謝です。

 

 084(オハヨー)運動は、各部活動、生徒会執行部、代議委員、風紀委員の生徒の皆さんが、指定日の朝、生徒昇降口前で行うあいさつ運動です。今日は陸上競技部の生徒さんが立って、登校してくる生徒に対して挨拶をしていました。朝から清々しい気分になりました。

 

 本校は生徒の約86%が通学で自転車を使用しています。交通事故には十分に気を付けてほしいと思います。もちろん、交通ルールやマナーを守るのが大前提です。

 

 生徒の皆さんも保護者の方々も報道等でご覧になり知っていると思いますが、改正道路交通法が令和5年4月1日から施行され、宮城県では自転車乗車時のヘルメット着用が努力義務となっております。ヘルメット購入についてはお金がかかるとは思いますが、命を守るために、ご家庭で話し合っていただければと思います。また、損害賠償保険等への加入についても義務化となっております。

 

 学校として全力で「安心・安全な学校づくり」に努力してまいりますが、「自分の命は自分で守る」こともご家庭で考えていただければと思います。

 

今後もどうぞよろしくお願いいたします。

4月原稿

校長室だより「校長の呟き ~東の空から~」

 

                                       令和5年4月13日(木)

1 どうぞよろしくお願いいたします          

 

 4月3日(月)に仙台東高等学校第14代校長を拝命いたしました、藤垣庸二(ふじがきようじ)と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 前山内校長先生の教育方針等を引き継ぎ、生徒のため、学校のため、そして地域のために尽力したいと思っております。前校長先生は、HPのこのコラムを定期的に配信しておりましたが、私も頑張って(毎日は難しいですが…)学校の様子や私が感じたことを配信したいと思います。

 

 4月10日(月)に新任式、始業式、そして入学式が行われ、私も生徒の皆さんとお会いすることができました。2年間教育行政勤務でしたので、久しぶりに大勢の高校生を見ました。新学期がいよいよスタートしたなぁという緊張感と充実感がありました。

 

4月11日(火)は1年生が新入生オリエンテーションで授業の受け方等のレクチャーを受け、2・3年生は課題テストに一生懸命取り組んでいました。

この日に嬉しかったことは、1年3組の生徒が、クラス担任から「学校内で写真を撮ってきなさい」と言われ、校長室に来てくれたことです。私から「SNSに掲載しないでね」とお願いしたうえで、校長室で生徒(7、8人だったかな)と写真を撮りました。

 

4月12日(水)は対面式、部活動紹介が体育館でありました。生徒会の皆さんが、自分たちで頑張って運営していました。多くの学校行事が、生徒の皆さんが企画・運営してもらいたいと思っています! 個性あふれるパフォーマンスもあり、素晴らしい行事であったと思います。両手で「E」をつくるポーズも生徒会役員の皆さんから教えてもらいました。私も生徒会長さんのように、ステージ上でそのポーズができるよう頑張ります(笑)。

 

この1年、「Enjoy East!」を合言葉に、高校生活を楽しんでほしいと願っています。

74.修業式講話(抜粋) ~夏炉冬扇~

皆さんおはようございます。皆さんはそれぞれの業を終えこの修業式に臨んでいます。「結果よりも過程重視」ということも年度はじめに皆さんに話しましたが,東高生一人一人が十分な結果に結びつかなくとも,一生懸命努力する過程こそが大切だと取り組んだ姿勢を評価したいと思います。新型コロナウイルスによる様々な影響の中,本当によく学業に部活動に頑張ってきたと思います。東高の校長であることを改めて誇りに思います。新型コロナは終息の方向に向かっているといいのですが,新しい学年でしっかり頑張ろうと気持ちを新たにしてください。

 

ところで,WBCは日本が14年ぶりに世界一を奪還しました。午前中のライブの視聴率は40%を超え,夜の再放送も20%を超えましたので,テレビで見た方も多かったと思います。今回の国際大会でも優勝して競技自体の実力を世界に示しましたが,同時にゴミ一つ落ちていないベンチの中の綺麗さ,相手をリスペクトする姿勢等世界一に相応しい国民性が評価されたことがとても誇らしいと思います。

 

さて,今日は一年の終わりに夏炉冬扇(かろとうせん)という話をします。短時間で終えますので聞いてください。この言葉は夏の暖房,冬の冷房といった意味です。ですから,時期はずれの無駄なもののたとえ。また,無用なもの,役に立たない言論や才能などのたとえとして使われます。夏の暑い時のストーブに真冬の寒い時の扇風機ですから時期はずれの無駄なものというのがわかります。

 

 でも本当はもっと大事な意味があって,そのことを皆さんにわかってもらいたいのです。夏のストーブに冬の扇風機は一見すると不要に思われますが,必ず必要となる時が来ます。その時(=出番)に備えてしっかりと準備をしているのです。または,夏の暑い時でも暖房を必要とする人はいます。今日もまだまだ寒いですが,場合によっては冷房を必要とする人もいるはずです。

 

 つまり,人というのは必ずどこかで誰かの役に立っているのです。この世の中に役に立たない人などいないのです。目に見えないところで役に立っていますし,腐ったり・あきらめたりしないで学校生活をしっかりしていれば,目に見えてチャンスは必ず訪れるということです。周りにいる一人一人を大事にしてほしいのです。認めてほしいのです。東高生の皆さんにはこのことを理解してほしいという思いから,一年の終わりに夏炉冬扇(かろとうせん)という言葉を紹介しました。皆さん今日も話を聞いてくれてありがとうございました。以上で講話を終わります。

令和5年3月24日 山内

 

73.みやぎ鎮魂の日(抜粋) ~あの日から12年~

未曾有の大震災から明日の11日で12年を迎えます。皆さんは,大震災時は,小学校入学前と思われますので遠い記憶にはなるでしょうが,大変な思いをされたことを覚えていることと思います。宮城県では,ご家族やご親族,友人や級友を無くした方が大勢いらっしゃいました。今もなお,多くの行方不明の方もいらっしゃいます。皆さんのご家族やお知り合いの方でも大変な思いをされた方がいらっしゃるかと思います。あらためて,お亡くなりになりました方のご冥福をお祈りいたします。また,まだまだ復興途中であり,被害に遭われて今なお辛く苦しい状況にいらっしゃる方に心よりお見舞い申し上げます。

 

では当時,南三陸の学校で働いていて,避難所の運営にもあたられた本校事務室の梶原事務次長先生が当時のことを振り返ったお言葉を紹介します。

 

「あれから長い年月が流れ,震災の報道はほぼなくなり,人々の記憶も年々薄れているように感じます。でも,私はまるで昨日のようにその時の情景,気持ち,周りの様子が浮かんできます。これまでの人生で感じたことのない大きな絶望を感じた人は数え切れないほどいるはずですし,思い出すたびに涙を流す人も多いと考えます。それでも震災を経験した私達にとって震災の記憶は絶対に忘れてはなりません。また起きる可能性がある地震や津波に対して,震災を知っている人が,つらくても自分の子どもや震災を知らない世代に伝えることは,わずかであっても,少ない人数にだけであっても,とても大事なことだと思います。一人でも多くの命を救うため,あの震災を忘れずに伝え,つないでいくことが,経験した者の責務であると思います。」

 

梶原次長先生のお言葉にもありますように,あの日の教訓と備えへの誓いは,今活かされているかを自問する時です。私たち生かされている者にとって,あの経験と教訓を胸に刻み,風化させないように語り継ぐことが大切です。そして,その心構えを,今後の身を守る行動につなげていただければと思います。私たちも,犠牲者への哀悼の意と今後へのより良く生きる決意を新たにして,講話といたします。

 令和5年3月10日 山内

72.卒業式式辞(抜粋) ~一期一会~

卒業にあたり卒業生の皆さんに次の言葉を贈ります。

それは「一期一会」という言葉です。この言葉は茶聖千利休の弟子,山上宗二の「一生に一度の会」が由来になっています。茶の湯における茶会は,庭や茶室,床の間の掛軸や活ける花,客人等のすべてが全く同じでもそれぞれが一回それきりと考えます。そのひと時,その場を同じくする茶会は二度とないため,すべてにおいて最善を尽くします。

 

学校における授業も同じ事です。同じ授業は二度とできないため教師は最善を尽くします。生徒も一時間一時間に集中しなければなりません。「過去」という“かつて”でもなく,「未来」という“これから”でもない「いま,ここ,じぶん」が何よりも大切であるということです。二度と戻ってこないこの時間を大事にしなさい,この出会いは一度きりかもしれないから大切に丁寧に向き合いなさい,というような戒めの意味合いで使われていることが多いと思います。隣にいるクラスメイトや担任の先生方。お世話になった友達の家族も,もしかするとこの卒業式での出会いが最後になるかもしれません。また会えると安易に思わないで今日の日を大切にしてください。またいつの日か会えるよう,お互いに努めてください。

 

未曾有の大震災からもうすぐ十二年。震災は多くの尊い命を奪いました。その中には皆さんと同じ高校を卒業したばかりの若者も含まれていました。震災で命を奪われた人たち,大切な家族を失った人たち。彼らは皆,3月11日が最後となるなど考えもしていなかったと思います。皆さんは彼等の分までしっかりと今を生きなければなりません。今を全力で生きること。「一期一会」という言葉を大切にしてください。

 

さて,私たち教職員は,皆さんの人生の大切な3年間に関わりを持てたことを「誇り」に思っています。

新型コロナによる様々な制約と戦いながら三年間の業を終えられ,仙台東高36年の歴史に新たな1ページを作られた卒業生225名の皆さん一人一人を心から「誇り」に思っています。これからも仙台東高が地域から支持され,中学生が「入りたい高校」であるためには卒業生の皆さんが社会で思う存分活躍いただくことです。ぜひこれからも母校を支援してください。

 

結びに,卒業生の皆さんには,天から与えられた使命があるはずです。天が皆さんに与えた使命とは何かを求めるように生き,その使命を全うするような生き方を送ってほしいと願っています。それぞれの立場で社会に貢献されることを期待しています。皆さんのこれからの輝かしい人生を祈り,卒業に際しての心からの祝辞といたします。

令和5年3月1日 山内

71.3年生登校日,1,2年生は週末から考査 ~校門の横断幕~

 受験の公欠組を除いて,久しぶりに3年生が出校しました。全学年揃うと活気づきます。友達と久しぶりに会って力をもらった東高生も少なくないと思います。もちろん本日受験と戦っている東高生にエールを送りたいです。国公立試験までおよそ10日。3月に入っても受験が続く東高生も多くいるはずです。コロナやインフルエンザ対策をして引き続き挑んでください。

 

気がつけば今週末から1,2年生も最後の考査です。考査受験も大事ですが,約束の提出物等も重要ですので,必ず期限を守って提出してください。頑張れ東高生,私たちはいつでも応援しています。

 

結びに,校門付近の横断幕に気づいた皆さんも多いかと思います。本校英語科11回生の佐藤厚志先輩の芥川賞受賞のお祝いの横断幕です。同窓会の方にお作りいただきました。ありがとうございました。3年生の同窓会入会式は28日に行われます。

令和5年2月13日 山内

70.冬来たりなば春遠からじ ~今日から2月~

 3年生の私大入試がはじまっています。今月末の国公立試験まで受験の試練が続いているかと思います。東高はじめ,全国には3月に入っても受験が続く高校生も多くいるはずです。1,2年生も寒い中,総体に向けて地道に練習に取り組む姿が見受けられます。

表題は英国の詩人シェリーによるものです。先週は特に寒い日が続きましたが,「困難に耐えて努力していれば,必ず良いこともやってくる。」と期待を込めた喩えとして使われる詩です。

 1月・2月・3月はその語呂から「いっきに,にげるように,さりゆく」と言われますが,まだまだつらい日々が続き,長く感じる人もいるかもしれません。それでも着実に春は近づいていると信じたいです。暦では3日が節分,4日が立春です。

令和5年2月1日 山内

69.佐藤 厚志 先輩 おめでとうございます。 ~第168回芥川賞受賞~

 先週は直木賞と芥川賞の受賞者発表がおこなわれました。芥川賞は仙台市出身の佐藤厚志さんが受賞しました。実は,発表の19日の時点で本校英語科11回生だったことは承知していましたが,本人の了解も得ていませんでしたので,公表は差し控えていました。20日朝はやく,同窓会の光井会長さんから連絡をいただき,なんとかご本人に公表の許可を得たいことをお話しし,光井会長さんが校長室に来てくださり,内諾を得たのがお昼前だったでしょうか。報道からの取材を待っていましたが,残念ながら特にありませんでした。

 2017年第49回新潮新人賞,2020年第3回仙台短編文学賞大賞を受賞し,2021年第34回三島由紀夫賞の候補にまでなっておりましたので,今回の受賞は受賞候補の段階から注目されていました。受賞作品「荒地の家族」は宮城に住む植木職人を描いた作品で,震災から10年以上経過した被災地宮城出身の佐藤さんの力作だそうです。書店にいっても売り切れでしたので,なんとか手配して受賞作品を読んでみたいと思います。栄えある受賞の喜びを,東高生,職員,PTAや同窓会等関係者の皆様と分かち合いたいと思います。本当におめでとうございました。

令和5年1月23日 山内

68.共通テスト終了 ~これからが本番 一年で最も寒い時期~

 大学入試共通テストが終了しました。昨年は数学IAが過去最低点の平均37点台で,社会的にも大きな反響を呼びました。バスケットのシュートの軌道に関する出題があった今年の問題は,昨年があまりにも難しかっただけに,だいぶ易化したようです。逆に昨年比較的簡単だった教科・科目は厳しめになりました。毎年その繰り返しのようです。1・2年生も是非チャレンジしてみましょう。

 

 東高130名ほどの3年生も14日・15日の二日間,東北大や学院大等複数の会場にわかれて共通テストと戦ってきました。報告では大きなトラブル等はなかったようですので,少しほっとしています。今日は国文室に集まり自己採点日です。今週末のデータ返却を待ちつつも,2次試験や私大受験に向けて新たなスタートを切ったことと思います。ご家族や担任の先生との面談もありますね。これからが本番です。粘り強く取り組んでください。今週は高校入試の予備調査結果もでるはずです。受験のハイシーズンですね。

 

 阪神淡路の大震災からはやいもので,明日で28年だそうです。あの日も寒い・寒い日でした。暦の上では今が一年で最も寒い時期,授業中の様子を見に廊下を歩くと寒さを実感します。グラウンドのサッカーの授業は本当に寒いですね。今週末20日(金)は大寒です。コロナ以外でも,インフルエンザ流行の報道もあります。3年生は東高で受ける授業日は2週間を切りました。1年生も2年生も寒さ対策をしっかりして一日一日を大事にしましょう。

令和5年1月16日 山内

67.開講式校長講話 ~物事には続きがある 限界を作らずに挑戦~

 新春恒例の箱根駅伝は高い視聴率でしたので,テレビで見た皆さんも多いかと思います。優勝したのは駒澤大学で,出雲・全日本と合わせ,史上5校目の三冠を達成しました。選手たちはとても謙虚で,相手校をリスペクトしていて,体調不良の主力選手を欠いてもあきらめずに控え選手がカバーしての優勝は,三冠に相応しいチームだと思いました。優勝した駒澤の大八木監督は福島の出身で,独特の東北訛りは親しみを感じます。今回の優勝は,還暦を過ぎても自分自身に限界を作らずに,自分自身と何より選手の可能性を信じ,粘り強く取り組んだ結果だと言われています。学生には我が子の様に親身になって接し,厳しさの中にも愛情が溢れる素晴らしい指導者だと思います。監督業は今年3月で勇退されるようですが,今後は機会があれば,さらに他校や社会人の選手も教えて世界を目指すそうです。

 

さて今年の干支は卯,つまりうさぎです。今日は有名なイソップ童話の「うさぎとかめ」の話から。先ほどの箱根駅伝ではありませんが,駆けっこで亀と競走することになったうさぎは,自分の足の速さにうぬぼれ,亀の足の遅さを馬鹿にして居眠りをしている間に亀に追い抜かれてしまうという物語。しかしこの物語には続きがあり,今から50年ほど前に日本人の童話作家によって改良されました。

 

 競走に負け,ふるさとを追われたうさぎは,ある日ふるさとにいる子うさぎがオオカミに狙われていることを知ります。なんとか名誉挽回しようと,オオカミを呼び出し,少々ずるい手を使ってオオカミを退治し,英雄としてふるさとに戻りました。一方,なんでもできると自信過剰になった亀は,空をも飛べると思い,ワシに頼んで空高く連れていってもらい,自力で空を飛ぼうとしたが,その後亀の姿は見えなくなった。というものです。

 

 別の続編もあります。もう一度正々堂々と駆けっこの勝負をして,今度はうさぎが勝った。しかし負けた亀は満足して笑みを浮かべていたので,うさぎが理由を聞くと,「勝負には負けたけれども,自分のタイムがこの間よりも上がったから」と答えた。というストーリのものもあります。これらのストーリを既に知っている東高生や先生方がいるかも知れませんし,さらに違った続編を読んだことがある人もいるかもしれません。可能性は無限です。

 

 誰もが「これで終わり」と思っていて,自分自身でも「限界」と思っていても,実はまだまだ可能性はあるものです。あきらめないで粘り強く挑戦すれば皆さん一人一人に備わっている無限の可能性は必ず花開くものです。

 

 日本のことわざで有名な

 「井の中の蛙大海を知らず」の続きは,「されど空の青さを知る」

「柔よく剛を制す」の続きは,「剛よく柔を断つ」

学問のすすめ

 「天は人の上に人を造らず」の続きは,「人の下に人を造らずといへり」

 

 札幌農学校クラーク博士

 英語で有名な「Boys, be ambitious」の続きは,「like this old man」となります。

あげればきりがありません。

もうひとつ

 「桃・栗3年柿8年」の続きは,「梅は13年,ゆずと梨は18年」となります。

 

 日々の勉強でも,限界を作らずに,もっと先に知らないことがある,もっと詳しく知りたいと思って挑戦してみてください。皆さんの可能性が花開く一年であることを祈念します。

 令和5年1月10日 山内

66.終業式講話 ~日本人の国民性~

 サッカーW杯はアルゼンチンの36年ぶりの優勝で幕を閉じましたが,W杯中,清掃等整理整頓や関係者への感謝を欠かさない日本代表チームやサポーターのたちの振る舞いは世界から賞賛されています。日本の国民性自体が評価されているのかもしれません。では今日はその日本の国民性に係る「少し前の2019年,大分前の2011年,大昔の103年前の1920年」の話をします。

 

 100年ほど前,「スペイン風邪」というウイルスが世界的に大流行しました。全世界で5000万人もの死者を出し,日本でも人口の0.8%にあたる45万人が亡くなりました。予防策としては,マスクをつける,密を避ける等今と変わらない対策をしていました。終息までに2年ほどかかりましたが,のちのちこれは免疫抗体を獲得できたからだと言われました。ワクチン等効果的な医学治療法もない中で,他国と比較して被害が少なかったのは,医療従事者の献身とマスク手洗い等を徹底した日本人の国民性によるものだと言われています。努力は無駄ではなかったということです。なお,スペイン風邪の発祥はアメリカであって,スペインではありません。当時は世界大戦中で中立国のスペインがこのウイルスについて世界に発信したからです。

 

 3年前,中国武漢で「covid-19」(2019年に発生した新型コロナウイルスの略)が発生しました。国名や地名を使わなかったのは偏見や誤解を避けるためです。この新型ウイルスは皆さんご存じのとおり,12月15日時点で,全世界で感染者は6億5千万人を超え,665万人もの命を奪い,日本でも約2千百万人以上が感染し,5万2千人を超える方が亡くなられています。世界的に見れば,スペイン風邪同様,日本人の感染者・死亡者の数は少ない方です。このことは,医療従事者の献身とマスク手洗い等を徹底した国民性によるものだと思います。報道では現在は第8波の最中らしいですが,本当に終結が待ち遠しいです。

 

 未曾有の大震災からもうすぐ13年です。宮城県内だけで9千5百人以上の方が亡くなり,未だに千2百名もの方々が行方不明のままです。生きたくとも生きられなかった多くの人々がいたことを私たちは忘れてはなりません。そしてあの大混乱の中でも不自由な生活に耐え,略奪等の犯罪もほとんどなかったという日本人の国民性を誇らしく思うと同時に,海外からは福島宮城岩手には原発事故の影響で足を運ぼうとしない人が多くいて,未だに「偏見・風評被害」が続いていること,大切な人や家を失い,未だに心のケアが必要な方が多くいることも忘れてはなりません。

 

 この冬休み中,703人の生徒,68人の職員全員無事に元気でいることを願います。不要不急の外出を避け,感染予防を徹底してください。しかし,次々と変異を繰り返す新型コロナウイルスの猛威は衰えを知りません。本校でも多くの職員や生徒が感染しました。人口10万人あたりの感染率は全国トップであり,今後宮城県内ではいつ感染しても不思議ではない状況です。もしそうなった時でも,感染した人への誹謗中傷は絶対に行わないでください。私は東高にはそのような人はいないと信じています。悪いのはその人ではなく,ウイルスなのです。

 

 今日も話しを聞いてくれてありがとうございました。これで講話を終わります。皆さん良いお年をお迎えください。では,お互い元気に1月10日(火)にお会いしましょう。

令和4年12月23日 山内

65.個人戦か団体戦か ~「受験は個人・団体のどちらか? 今年の漢字は「戦」~

 2年生も戻り,「チーム東高」の3学年が揃いました。関係者の皆様に感謝いたします。埼玉スーパーアリーナで行われたマーチング全国大会では東高吹奏楽部が,宮城県・東北地区代表として堂々の演奏・演技を行い,銅賞を受賞しました。こちらも関係者の皆様に感謝いたします。冬期課外はあるものの,23日の閉講式まで今年の授業もあと十日です。

 

日本が敗れ,サッカー熱も冷めてきましたが,W杯は今週いよいよ準決・決勝が行われます。攻守にチーム全員が走り回るサッカーのモロッコがアフリカ勢初の4強進出で世界的に盛り上がっています。チーム東高も師走ですので今週は先生方が職員会議・成績会議・推薦会議等で走り回ります。東高も日本代表もクロアチア代表もフランス代表もアルゼンチン代表も「チーム」つまり団体戦です。

 

 1月の共通テストまでちょうど1ヶ月,東高からも3年生のおよそ6割の生徒が受験しますので,これからが進路の佳境に入ります。「受験は団体戦」と皆さんもどこかで聞いたこと,言われたことがあると思います。

3年生ですでに就職や進学を決めた皆さんの受験当日は「個人で」戦ってきたことと思います。ではどうして「受験は団体戦」そう呼ばれるのか。

 

思い返してみてください。確かに受験当日は孤独と戦いながら,一人で受験してきたと思います。しかし,その当日にいたるまでの過程です。励まし合った仲間がいたはずです。支えてくれた家族の存在が大きかったと思います。そして最後の最後まで書類作成から論文・面接等の指導をしてくれた担任をはじめとする師の存在がなくてはならなかったと思います。受験自体は個人戦ですが,受験に至るまでの過程は仲間たちと共に戦う団体戦的な色が濃いのだと思われます。3年生には,いや1・2年生にも「授業や受験勉強は団体戦」という気概を持ち続けてほしいものです。いつものしつこい繰り返しになりますが,結果と同じくらいに,いやそれ以上にその過程が大事なのです。

 

 さて,先ほど今年の漢字は「戦」に決まりました。応募総数約22万票のうち,戦は1万800票もの得票を集めました。2位は安で3位は楽だそうです。欧州のみならず,我が国を含むアジアでも「戦」を意識するような一年だったということです。来年こそは平和な一年であってほしいものです。

令和4年12月12日 山内

64.師走 ~今年もあと少し 今年の漢字まで一週間 共通テストまで一ヶ月~

 サッカーワールドカップE組で優勝候補世界ランキング7位のスペインに逆転勝ちしこの組1位で,ノックアウトステージに進出した日本は,再び沸きかえっています。今日深夜にクロアチアと目標の8強をかけての戦いですが,それ以上に注目されている日本サポーターたちの振る舞い。勝っても負けてもスタジアムを清掃する姿が世界的に賞賛されています。あと何試合日本代表が試合をするか誰にも予測できませんが,続く限り清掃を行ってほしいものです。ゴミ拾いや清掃と言えば,15年ほど前,初めて県庁に勤めたとき,現場と同じように廊下を掃き掃除していたなら,当時の先輩に「そんなことをする暇があれば,仕事をしろ。第一,君が掃除すれば,清掃専門の方の仕事を奪うことになる。」と言われたことを思い出します。世の中にはよかれと思って行っても様々な見方があるものです。それでも私は掃除を目立たないところで続けました。信念は自分の心が決めます。

 

 さて,先週末に2年生修学旅行隊が無事仙台に戻りました。今のところ,大きな事故等の報告はありませんので,まずは一安心。関係者に心から感謝いたします。本当にお疲れ様でした。落ち着いた頃に思い出や疲労がジワジワと出てくるものです。東高生も先生方も今週は心を落ち着かせて過ごしてください。

 

 もう一つ今日は9日から埼玉大宮会場で行われるマーチング全国大会の壮行式が行われます。コロナの関係で,放送によるものですが,吹奏楽部には,宮城県・東北地区の予選を勝ちぬいての全国大会です。結果を気にしないで,思う存分自分たちの最善を尽くしてきてください。応援しています。

 

 修学旅行中師走の1日に,恒例の今年の新語・流行語大賞が発表されました。大賞は私の呟きのペースにも勝ったヤクルトスワローズの村神様でした。政治経済のこと,ダンスのこと,ファンションや言葉等トップテンには様々な言葉が入りましたが,ここ数年続いたコロナ関連の暗い言葉がなくなったことは光明かもしれません。コロナ禍でも高校生にエールを送った宮城県の高校野球監督の「青春って,すごく密なので」が特別賞受賞というのも,いいニュースですね。東高生の皆さんの今年の新語・流行語はどうでしょうか。

 

 はやいもので,師走も5日です。来週月曜日には「今年の漢字一文字」が発表されます。場所は清水寺。

1組は最終日に2組から6組は初日にそれぞれ修学旅行で訪れた場所です。清水寺の貫主さんが揮毫者としてその年の一文字を書きます。20年は「密」21年は「金」コロナと五輪とイメージできますね。さて今年はどうか。皆さんも一年を振り返って今年の漢字をあげてみてください。

 

 3年生の所謂「推薦入試」結果が届いています。合格の皆さんは,入学後のことを見据えて今まで以上に学習に力を入れるべきです。入学したなら推薦も一般もなんら関係ありません。今後の3ヶ月が進学先での生活を左右します。推薦入試で不合格だった皆さんは,少し立ち直るのに時間を要するかもしれませんが,一日もはやく切り替えて年明けの一般入試に向かうべきです。今回の経験は決して無駄にはなりませんので安心してください。もともと一般入試の皆さんは共通テストまでほぼ一ヶ月です。現役生はこれからまだまだ伸びます。模試の厳しい判定等は気にせず,取組の内容や姿勢を大事にして,最後の最後まで粘ってください。

令和4年12月5日 山内

63. 修学旅行出発 ~思い出に残る修学旅行~

 

 サッカーワールドカップ,日本はコスタリカに敗れ,スペインとドイツが引き分けたため,最終戦までどのチームにもノックアウトステージ進出の可能性があります。日本が敗れ盛り上がりにも陰りが。でも本当に,負けると手のひらを返したり,背を向けたり,遠くに去って行ったりという人間が多いですね。「卑怯」という言葉は死語になりつつありますが,卑怯な戦法の海外勢に対して日本は正々堂々と戦います。もうこの時点で時代遅れなのかもしれませんが,これは日本の品格ですからしょうがないですかね。

 

 さて,今朝2年生が関西に向け無事に仙台を出発しました。私も見送りに仙台空港に行ってきました。クラスや学科によって違いますが,早いところで7時ごろ,遅いところでも9時台に伊丹空港に旅立ちました。朝の連ドラ「舞いあがれ」で飛行機がクローズアップされていますが,私も久々の空港。なんだか胸が躍る思いでした。3泊4日,金曜日に仙台に戻ります。1・3年生は考査です。正々堂々と戦ってください。

 

 自分の高校時代の修学旅行のことは,ほとんど覚えていませんが,教師となってからの修学旅行は一つ一つはっきりと覚えています。特に最初と最後の修学旅行は。

 

最初の修学旅行は担任として初めての引率でした。男子だけ44人の農業土木科と一緒に行った黒部山岳国立公園「雷鳥荘」標高2400m,ケーブルカーに乗り,終着駅から徒歩でも30分以上かかる陸の孤島でした。夕食まで自由時間2時間くらいあるから外出してもいいと言っても誰一人9月の気温一桁の山には出かけませんでした。愛知県豊田市の自動車工場を経由して,できたばかりの千葉浦安のTDLに。生徒はここぞとばかりに羽を伸ばし過ぎ,他校との衝突・迷子等スマホがない時代の教員用「ポケベル」はずっと鳴りっぱなしでした。最後は浅草で寄席。宮城県の田舎者が,漫談や紙切り芸等ステージ上でいいように使われて,笑い疲れ,帰り道は全員爆睡状態でした。5泊6日で学校に戻ったのは夕方の6時過ぎでしたが,ほとんどの家庭は迎えになど来ないので,宅配サービスなどない時代の当時は大きくて重いお土産を全身全霊で持ち上げ,生徒一人で帰路につきました。

 

最後の修学旅行は京都3泊4日の旅。USJ等を除けば今回の東高と同じような行程。ですから楽しみがなくなるので詳細は触れませんが,決定的に違うのは時期。9月のお彼岸の連休が終わると,次の日から修学旅行,帰ってきた次の日から新人戦なので朝練習の用具持参でした。自由時間のほとんどを練習にあてたのに新人戦はあえなく初戦敗退。もう一つ違うのは服装。当時の女子はスカート丈が短く,ルーズソックスという格好。でも蓮華王院の千手観音を普通の高校生は特に興味もなく駆け足で過ぎ去るところ,時間をオーバーしてじっくり見て,ガイドに鋭い質問をする姿に「格好を見ていて失礼ですが勉強等には興味関心がないものだと思いましたが,窺ったなら賢い学校なのだそうで」人は外見に寄らない?でもずいぶん元気の有り余る関西の方々に交流を迫られました。

 

 スマホがない。お土産の宅配サービスもない。もちろんどこに行っても「密」でマスクなどない修学旅行など,皆さんには想像すらできないかと思いますが,一生の思い出となることだけは20年,30年前も今回も変わりはありません。大いに楽しんできてください。

 

結びにお願いです。お土産のことです。全員に共通するお土産は必ず無事にご家族のもとに帰ってくることです。「ただいま」とご家族に言って旅行は終わります。Bon voyage. -修学旅行のしおり-より

令和4年11月29日 山内

62. W杯「歓喜」と「悲劇」~スポーツの魅力は「勝つこと」?「負けること」?それとも~

サッカーW杯E組で格上の独に逆転勝ちし,日本中が沸いています。にわかファン,勝った途端の手のひら返し,勝ち馬にのる,メディアもあおります。コロナ禍で明るい話題が少ないので無理もありませんが。27日(日)に次戦コスタリカ戦を迎えます。少なくともあと二戦以上残されています。

 

 サッカーの国際試合の劇的な勝敗には「○○の歓喜」「○○の奇跡」「○○の悲劇」といった表現が使われます。皆さんが生まれるずーっと前の昔話ですが,93年最終予選最終戦AT(当時はロスタイムと呼んでいた)で失点による終戦を詠んだカタール「ドーハの悲劇」,97年最終予選最終代表決定戦延長GG(当時は得点すれば試合終了の延長戦)はマレーシア「ジョホールバルの歓喜」と呼ばれています。96年アトランタ五輪で強豪ブラジルに勝利した「マイアミの奇跡」の例もあるので,今回の独戦の勝利は「ドーハの奇跡」とか「ドーハの歓喜」と呼ばれるのかもしれません。

 

 前回のW杯は2018年にロシアで開催されました。四年後の国際情勢を誰が予測できたでしょうか。四年前日本代表はグループリーグを突破し,当時世界ランク1位のベルギーと決勝トーナメント初戦で対戦し,後半途中まで2対0とリード,あと10分ほどのところで同点に追いつかれるも,懸命に守ってATに突入。延長戦まであと数秒というところでカウンターから失点し,悲願の世界8強まであと一歩のところで敗戦しました。この敗戦は「ロストフの悲劇」や「ロストフの激闘」と詠まれました。日本代表選手は「ベルギーが強かった」「自分たちに力がなかった」と素直に相手を称えました。皆さんも記憶に新しいかと思います。その時のメンバーで今大会出場は長友選手,酒井選手など数名だけです。ただ変わらないことが二つ。

 

 一つは指導者。当時コーチーだったのが,仙台でもプレー経験のある森保監督。彼は先述の「ドーハの悲劇」と「ロストフの激闘」を経験しています。負けを知って強くなっているだけに,浮ついた様子がいっさい見受けられませんでした。独をすばらしいチームと称えてました。日本代表に相応しい指導者です。

 

 もう一つ,四年前の露W杯で世界から賞賛されたのは日本チームと日本サポーターの試合後の整理整頓です。選手はロッカールームを去るときにゴミ一つ残さず,むしろ使用前以上にきれいにしていったそうです。

サポーターのスタジアム内外のゴミ拾い等の掃除も世界を驚かせました。世界は日本を「グッドルーザー」と呼びました。今回も日本サポーターの整理整頓の様子は世界中に発信されています。

 

 専門的なことは分かりませんが,独戦で決勝点を入れた日本の浅野選手が後半投入された直後,欧州屈指の強豪クラブで活躍する相手DFが浅野選手をバカにするような態度で戦っていました。私はこれを観て「勝負あり」と確信しました。勝った時に相手を尊敬する心。負けを知った者だからこそ『勝った時は謙虚に』『負けた時には潔く』行動できるかどうかです。代表選手たちには「バッドウィナー」でもいいなどと思わないで,四年に一度の祭典を楽しんで欲しいと思うのですが。

 

 今日は2年生保護者対象進路説明会が3階国文室で開催され,お忙しいところ,100を超える皆様にご来校いただきました。ありがとうございました。来週からは2年生が修学旅行,1・3年生が考査です。無事に実施できることを願っています。先生方が最も忙しい月がすぐそこまで迫っています。

 令和4年11月24日 山内

61.「芸術鑑賞」 ~全員そろっての今年最後の学校行事 今日からは2年生定期考査~

 芸術の秋。11月17日(木)は心に残る日となりました。芸術鑑賞会です。9月は東風祭,10月は球技大会とありましたが,今回の芸術鑑賞会が全校そろっての今年度の学校行事として最後になるかと思います。スポーツ,文化それぞれの学校行事にはひとつひとつ意味があります。その中で,コロナ禍にあっても一昨年は県民会館で音楽鑑賞を,昨年は本校会場にアイヌ民族劇の鑑賞を行うなど,東高は芸術鑑賞会に力を入れてきました。

 

その理由は様々あると思われますが,理由の一つには国内外の伝統や文化,特に我が国の伝統や文化に触れることが,国際社会に生きる日本人としての自覚と誇りを持てることにつながるとともに,多様な文化を尊重できる心を育成できるからだと思います。3年生の皆さんは受験が間近であり,1,2年生も考査前で,参考書を開きたくなる気持ちも分かりますが,演奏を聴いて心を豊かにした方が,きっと良い結果につながると思います。集会等でも内職者を時々見つけますが,とても残念です。今回はいませんでしたので,安心しました。

 

さて,和楽器演奏集団「コマ」の皆様には「和太鼓や三味線,笛」を使った,まさに我が国の伝統文化に関する演奏をしていただきました。しっかりとした演奏技術に裏付けされた多彩な表現力に,関西特有のユーモアセンスに加え,高校生の目線にあわせていただくようなご配慮もいただき,気さくにお話くださいました。リーダーの植木さんは私でも知っているくらいに著名な方で本当にありがとうございました。澤田先生や翔太先生はじめ先生方と東高生有志の演奏も植木さんの指導で即興にしては完成度の高いものでした。

 

コロナの8波が心配ですが,今日からは2年生が考査。29日からの修学旅行が控えています。1・3年生は29日から考査。令和4年も残りあと50日あまり。11月は語呂から「いい○○の日」が続きますが,一日一日が良い日であってほしいです。23日はお働きいただいているご家族に感謝しましょう。

 令和4年11月21日 山内

60.「他者を知れば,自己も理解できる」 ~兵頭先生からのメッセージ~

 11月8日(火)は思い出に残る日となりました。グローバルウイーク中に,国際講演会があり防衛省防衛研究所政策研究部長の兵頭慎治先生に東高全校生徒・全職員に対して講演をいただきました。テレビ等でご活躍されている著名な方なので本当に来ていただけるのか心配でしたが,予定どおりに来校いただき,高校生の目線にあわせていただき,気さくにお話くださいました。

 

  元々はロシアに関する論文や著書もあり,今回のロシアとウクライナの問題に限らず欧州や日本の国防等についての専門家の方なので,「テレビでは言えないような詳細なところまでお話されるのでは」と少々ドキドキしていましたが,本当に分かりやすく,難民問題や食料・エネルギー問題を含め,地球規模のお話に生徒も職員も最後まで熱心に聞き入っていました。東高生からの素朴な質問にも丁寧に答えていただきました。週末のテレビに出演することは聞かされていましたが,10日(木)朝のニュースでも急遽出演し解説されている姿を拝見し,本当にすごい方にお話いただいたのだと改めて光栄に思いました。

 

  「他者を知れば,自己も理解できる」という兵頭先生からのメッセージは全校生・全職員の心に響き,残るものと確信しています。「国際理解」とは「人間理解」であり物事や人間を知ることが大切であるという言葉も心に突き刺さりました。本当にありがとうございました。愛媛は宇和島のご出身ということで,ここ仙台とは親しみがあるとも言われていました。テレビで拝見したときにこの日のことを思い出しましょう。今月はカタールでW杯が行われます。世界規模・地球規模で物事を考える機会が増えるかもしれませんね。

 

  グローバルウイークが終わり,二年生は修学旅行前の考査まであと一週間。一・三年生も考査まで二週間です。コロナの急増が心配ですが,無事に行事ができることを祈るばかりです。気がつけば校長の呟きも60号を迎えました。なかなか「いいね」が増えませんが,もしよろしければ左下のいいねボタンをよろしくお願いいたします。励みにいたします。

令和4年11月14日 山内

59.「立冬」 ~文化部の活躍と運動部の健闘にグローバルウイーク~

将棋部西ノ谷君県新人大会第7位入賞,吹奏楽部今年も12月埼玉の全国大会へと結果を出したニュースが聞けました。おめでとうございます。ハンドボール,バスケットボールにソフトテニス等思うような結果が出なかった部活。大切なのは,取り組む姿勢と内容です。野球部のように3年生や保護者会に感謝する会も行われたようです。素晴らしいですね。部活動から何を学ぶかがとても大切だと思います。サッカーや剣道等これから新人大会というところもあります。健闘を祈ります。応援しています。

 

  さて,今日は立冬,朝夕の寒さも肌で感じられます。先週は「青春は密」をはじめとする新語・流行語大賞が発表されました。昨日は伊勢路で全日本大学駅伝が開催され,駒大が3連覇,大八木監督の東北弁訛りの談話を聞いていると,「ロードレースの季節」冬に差し掛かってきたような実感がありますし,実際に各地から初雪のたよりも聞こえてきました。今週は公募・総合型の試験に臨む3年生も少なくないかと思いますが,寒さ対策を万全にして,粘り強く戦ってきてください。応援しています。

 

  今週は東高名物「グローバルウイーク」です。明日は全校生徒対象に防衛省から講師の先生をお呼びして,講演会もあります。先輩のケンタロウ・オノさんが教えてくれたとおり,英語科がある東高にいるということは,「多様性を受け入れるということ」です。そして「国際情勢に目を向け,耳を傾けること」を大事にしてほしい。「ゴミを拾う心」を身につけてほしい,ということでした。つまり,自分の身近にあって,当たり前にできることが,グローバル化につながるということです。特に今週はそんなことを意識しましょう。コロナの再拡大が心配ですが,引き続き各自が対策もしっかり行いましょう。

令和4年11月7日 山内

 

 

58.「明日から霜月」 ~東高とキリバス,世界はつながっています~

 

 10月は校内では学校公開,球技大会に生徒総会が,校外でも各種大会・コンクールと様々な行事がありました。速く感じられたとある3年生が言ってましたが,みなさんはいかがだったでしょうか。

 

  さて,29日(土)の朝日朝刊,本日31日(月)の河北朝刊で報じられましたが,28日(金)国文室にて英語科講演会が開催されました。講師はケンタロウ・オノさん。皆さんの先輩です。仙台出身のケンタロウさんは,東高英語科在学中に単身でキリバス共和国に留学されました。キリバス大統領の補佐官や名誉領事を歴任され,現在は日本キリバス協会代表理事をなさっています。

 

  キリバスの正装で流暢な英語で語り始めたときは,東高生はもちろん,私たち職員も度肝を抜かれるくらいの強烈なインパクトを受けましたが,優しいお人柄と後輩たちを思うお気持ちから少々の母国語も使われて「キリバス共和国と地球温暖化」~東高からキリバスへ~という演題の,あっという間の2時間でした。最後は東高生がケンタロウさんを困らせるような質問にも笑顔で答えてくれました。地球温暖化による気候変動で,もしかすると,数年後にはキリバスがなくなってしまうかもしれないという講演はショッキングなものでもありました。

 

  では,我々に何ができるのか。まず,英語科がある東高にいるということは,「多様性を受け入れるということ」を大事にしてほしい。日本は「食べ残し,売れ残り等の」食品ロスが世界的にも上位だということ。「いただきます・ごちそうさま」と言っておきながら,お肉でも・お野菜でもその大事なライフをいただいていることを忘れていること。道ばたのプラゴミ一つ拾うだけで,風に飛ばされ名取川から太平洋を経由してやってくるキリギスの海岸を救うこと。つまり,自分の身近にあって,当たり前にできることが,グローバル化につながるという,東高生が日頃取り組んでいることを改めてお話いただいたことに本当に感動しました。ケンタロウさんありがとうございました。東高のみなさんは素晴らしい先輩を持ってますね。

 

  明日から霜月。季節は一気に進み,寒い冬へと向かっていきます。11月はグローバル週間に芸術鑑賞,中間考査,2年生は修学旅行もあって盛り沢山です。一日一日を大事に過ごしましょう。

 令和4年10月31日 山内

57.「芸術の秋」 ~演劇部第55回仙台市高等学校演劇祭~

 芸術の秋,22日(土),23日(日)聖和学園を会場に,東高演劇部は第55回仙台市高等学校演劇祭に参加してきました。「どんなあなたも素敵なあなた」~身近にせまった文化祭,生徒会室では生徒会役員による準備や確認が行われていた。冷徹の生徒会長は恋をしたが,その子は友人と交際していることをしり,戦意喪失で文化祭運営に影響が出てしまう。~といったストーリー。学校行事を通して育まれる想いや友情,絆を演じた傑作でした。

 

東風祭でも演劇部のステージは全校で観ましたのでその実力は分かるかと思います。残念ながら枠の関係で次のステージには進めませんでしたが,優良賞をいただきました。結果よりも大切なものを学べたことと思います。斎藤先生の指導の下,部長の松田さんを中心に引き続き活動頑張ってください。

 

  呟きもやっと村上選手の56号を越えましたがが,気がつけば日本シリーズの真っ最中です。犬鷲軍団は出場していませんが,宮城県出身,犬鷲から燕に移籍して大活躍の今野投手を応援しています。

 

    秋の夕暮れは本当に日に日に早くなります。下校時は十分に注意してください。10月もあと一週間です。

令和4年10月24日 山内

56.「大きな行事無事終了」 ~避難訓練 球技大会 英語科合宿~

  先週末は大きな行事が色々ありました。13日(木)6校時には火災避難訓練が行われました。今年2回目避難訓練でしたが,畠山教頭の講評にもあったように,火災に限らず「いざという時」の備えは高校だけに限らずいつどこにいても,進学・就職しても役に立つものです。久しぶりに全校生徒がグラウンドに一同に会する貴重な場面でもありました。

 

  14日(金)は球技大会。こちらも全校生徒がグラウンドに整列し開会式。3年生実行委員長中村君から「コロナ禍でも開催を認めていただきありがとうございました。」という挨拶。2年生選手宣誓後の3人からの一発ギャグも若さがあって素晴らしかったですし,閉会式で3年生千葉君から「3年生はこれで行事は終わります。1,2年生は来年新たに入ってくる新入生とともに東高を盛り上げてください。」という姿を見ていて,さすが3年生だなと思わされました。菅野教頭や担当の成澤先生から賞賛されるだけあって,競技のみならず,応援に対しても東高生の力を感じられる日でした。

 

  英語科の1年生は,本日まで福島県ブリッテッシュヒルズでの英語特訓合宿で,イギリス生活様式に触れ,異文化への理解を深めてきました。コロナ禍で海外での研修は制限されていても,何とか国内で英語を意思伝達の手段とする積極的な姿勢を身につけてきたと思います。何よりも人間的なたくましさが身についたと思います。2日間お疲れ様でした。

  

  運動部の新人大会,文化部のコンクール等今週末も続きますが,結果にこだわらずにベストを尽くしてきてください。気がつけば,神無月。出雲大社の大学選抜駅伝が開催されてから一週間が過ぎ,10月も残すところ十日あまり。神が在る月なのか無い月なのか。二十四節気によれば,今週末には霜が降りはじめ,晩秋を迎えます。

 令和4年10月18日 山内

55.「ほめる しかる はげます」 ~PTA挨拶活動 欠点克服指導 公開授業~

 後期のスタートの一週間,今週は色々ありました。今週はPTAの方々に朝校門前等にお立ちいただき,東高生にお声がけいただきました。ありがとうございました。PTAの皆様からは,良い面と悪い面両方のご感想をいただきました。一般の方から自転車運転等交通マナーに関するおしかりの電話をいただきました。ルールを守ってくれぐれも気をつけて登下校してくださいという趣旨です。一方,おほめの電話もいただきました。朝困っている小学生を家まで届けて助けていただきました。そのせいで,遅刻したかもしれなので,遅刻扱いにせずに,ほめてあげてくださいという趣旨です。

 

  昨日は成績会議。東高生一人一人の生活の様子を先生方から聞く絶好の機会です。今年の高校1年生からは,評価方法が少し変わり,様々な観点から生徒一人一人を評価するようになりました。残念ながら欠点科目がある人もいましたが,今日から始まる欠点克服指導にしっかり乗って欠点を解消してください。欠点は指導者から生徒へのしかりの意味合いがあります。克服指導は励ましの色が濃いです。

 

  来週11日(火)からは東高の公開週間がはじまりますが,今日はその前夜祭とばかりに,2年生英語科の異文化理解の授業(担当は担任でもある田中美奈子先生とアシスタントのアイドリン先生)を助言者に教育庁高校教育課教育指導班幸田指導主事先生をお呼びして公開研究授業を行いました。東高は台湾の高校とオンライン交流をしていますが,今回の授業ではその交流の練習。宮城県内の自治体・企業・大学そして東高も含め,SDGsに関する具体的な取組をまとめて英語で発表するというもの。岩ヶ崎高,気仙沼高,石巻商業高,宮城一高,宮城野高,白石高などの高校に加え中学校からも山元中と地元六郷中に参加いただきました。各校の先生方から様々なご意見・ご質問・ご感想をいただき本当にありがとうございました。合評会の最後に指導主事の幸田先生から「とてもクラスの雰囲気がよく,スピーチする側も,聞く側が時々頷いてくれたりして聞き上手だから話しやすく,発表する内容も教科横断的で勉強の後が窺えました。好きな授業です。」とほめていただきました。2年1組,いいクラスだね。

  

  校長の呟きも55号,しかし村上選手は新記録56号を放って王さんの記録を塗り替えました。これからは56という番号が人気になるのかな。偉大な二人の選手に共通しているのは,子供の頃から,ほめられて・しかられて選手として成長していったこと。そして大人になって弱い人・困っている人を励ます人間性の優れた選手であることです。

 

   さあ,東高3年生は進路の真剣勝負「共通テスト」まで100日を切りました。今日の放課後と明日は模試があります。粘り強く挑戦しましょう。

令和4年10月7日 山内

54.「後期のスタート」 ~10月3日登山の日 キンモクセイの香り~

  後期のスタートです。放送による後期始業式でしたが,賞状伝達式で運動部や文化部の県大会や東北大会での活躍の様子を伝えられたので,とても良いスタートが切られたと思います。これから大会やコンクールが控えている部活がほとんどだと思いますが,結果を気にしないで,今できるベストを尽くしてください。

 

  放送で話しましたが,今日10月3日は登山の日。人生は登山に例えられます。良いことは登りに,悪ことは下りに例えられます。人生はずっと一定というわけにはいきません。良いことも悪いこともありますが,重要なのはそれがずっと続くわけではないということです。そのために今が良い状態の時には,「良い状態はずっとは続かない。浮かれすぎないで気を引き締めよう」と戒め,悪い状態の時には「ずっと悪いことが続くわけではない。いずれ良くなっていくからそれまで頑張ろう」と勇気づけることが大切です。登山というのは登りだけでなく,安全に下りきってはじめて完成するものです。一見悪いように思える下りでも,雄大な自然に触れ,自然の素晴らしさを知り,その恩恵に感謝し,出会う一人一人を大切にすれば,無事下山できて結果的に良い登山だったと言えます。

 

  今日から後期のスタートですが,みなさんの高校生活は登りも下りもあるものだと思っていてください。どちらもそう長くは続かないことも理解してください。大切なのは物事に一喜一憂しすぎないで,一日一日を,一人一人を大切に,その場その場で最善を尽くすことだと思います。

 

  結びに,最近,教室棟と事務室・職員室棟との中廊下を通るとキンモクセイのいい香りがしますね。秋の風物詩と言われるキンモクセイ。強い香りが印象的な反面,咲かせる花は直径1cmにも満たないことがわかります。小さくてつつましい様子は謙虚ですね。東高生にはそうあってほしい。そんな想いから植樹されたのかもしれません。

令和4年10月3日 山内

53.「○○の秋」 ~美化週間 朝読書週間 公開週間~

 東高名物校舎周辺の田園は大きく頭を垂れていて,すでに稲刈りが済んだ箇所さえ見受けられます。

さて,先週末は吹奏楽部がマーチングバンド・バトントワーリング宮城県大会を突破し,今年も11月の東北大会に出場することになりました。これで9年連続の東北大会出場です。おめでとう。しかしあまり結果を求めずに,文字どおり演奏を楽しんでください。その場にいる全員が演奏の楽しさを共有することが音楽本来の姿です。

 

吹奏楽と言えば,「芸術の秋」。今の季節は「○○の秋」と称されることがしばしばです。「読書の秋」今現在東高は朝読書週間です。PC,SP等電子が全盛の今の時代,「紙」による書物を読むことは,人類にとってとても重要だと言われています。今週に限らず,東高生には紙読書の習慣を身につけてほしいものです。

 

「行楽の秋」「紅葉の秋」とも言われます。コロナ禍で旅行に行くことも激減しています,まして紅葉を見に行くことも滅多にないことかもしれません。私が3年前まで勤務していた大崎地区の学校は紅葉で有名な地域の一つで,何度か見に行きました。PCやSPでもバーチャル化したものを見られる時代ですが,やはり実際に目にすると全くちがいました。東高生の皆さんも家族や仲間と行楽することも秋の楽しみ方の一つです。

 

秋はなんと言っても「食欲の秋」。食べ物の美味しい季節でもあります。グルメを追求するのもいいですが,震災当時のことを思えば,朝食に温かいご飯と味噌汁をいただけるだけでも贅沢なことです。皆さんの記憶からは消えようとしているか,もともと記憶にないか定かではありませんが,食事をとることをあたりまえだと思わずに一食一食を大事にしてほしいと思います。

 

今日から東高陸上競技部は山形県の東北大会に出場しています。東高の代表,宮城の代表として,楽しんできてほしいです。10月14日には校内球技大会が予定されていますが,「スポーツの秋」最盛期です。

 

東高周辺の稲作はもちろん,各地で作物の収穫も最盛期です。学校文化でもこれまでの学習成果発表の場を用意して「実りの秋」を迎えようとしています。10月7日には英語科の田中先生が授業を公開され,多くの校外の先生方にもご来校いただく予定です。10月11日からは,今年二度目の学校公開週間を迎えます。秋休みを利用した中学生の皆さんもお待ちしております。数少ないながら,東高3年生で就職試験に合格し,内定を手にし,実りの秋を満喫している3年生もいます。全国的にも共通テストの受付が始まり,東高3年生は「勝負の秋,勉強の秋」を迎えています。東高はいい学校ですよ。

 

前期もあとわずか,10月3日に始業式を行い,後期のスタートです。朝ドラは終わってしまいますが,気持ちもあらたに,後期は授業でも部活でも学校行事でも進路の試験でも「ちむどんどんする」場面が増えるといいですね。

令和4年9月28日 山内

52.考査最終日部活動再開 ~数字への思い入れ8 16 51 55~

 考査最終日。今日から部活動再開です。さて,先週末は野球部が秋の県大会。2回戦の難敵名取高専を退け16強進出,8強をかけて仙台南高との決戦に臨みましたが,惜しくも敗れベスト8はなりませんでした。16と8は2で簡単に割り切れるのですが。これで夏も秋も昨年も今年も2年連続で16強と県内でも着実に上位であることに間違いはありません。荒削りながら楽しみな部分がたくさんあるチームです。負けを知ってからさらに強くなることを期待します。芳賀先生・博則先生・翔太先生を信じて「過程を大切に」秋冬と頑張ってください。

 

野球と言えば,メジャーリーグの大谷選手,日本の村上選手が注目を浴びています。大谷選手の背番号は17番。高校1年生時に付けていた思い入れのある番号だそうです。現在,日本人本塁打記録で王貞治さんに並んでいる村上選手の背番号は55番。王さんの記録を目指すために付けた番号に今や並んでいます。読売やヤンキースで活躍した松井秀喜さんの55番ももちろん,王さんの記録を目指したものです。昭和の時代は王さんの1番や長嶋茂雄さんの3番が人気で,平成の時代は51番でした。もちろんそのわけは,数々の大リーグ記録をうち立てたイチローこと鈴木一朗さんが身につけていた番号だからです。

 

  国や地域によっては縁起がいいと好まれたり,逆に敬遠されがちな番号もあるはずです。例えば,日本では日本語の語呂から4や9が嫌われるように,欧米,特にキリスト教圏では13や666などが嫌われる数字とされています。数学で言えば13は素数なので,1と13でしか割り切れず,半分にできません。欧米は12,つまりダースの文化ですし,13人目の神の乱入,最後の晩餐の13番目の席等,俗説とされるものもありますが,13は敬遠されます。数学や地歴の先生に詳しく聞いてみてください。

 

  東高生の皆さんにも,好きな番号や思い入れのある番号,嫌な番号があると思います。しかしそれが,偏見や差別的なものであってはなりません。9や13を好む国々もあります。他者を認め,理解したうえで,自分のことも理解してもらうことが大切ですね。私が1や3に憧れたように,これからは大谷選手の17や村上選手の本塁打新記録数の番号を好む人が増えるのかもしれませんね。野球部をはじめ,秋の新人大会を終えた部活動がある一方で,10月以降に新人大会を迎える部も多くあるかと思います。結果も大切ですが,「それまでの過程」を大切に頑張ってください。

 

  数少ないこのブログの読者で尊敬する先輩校長の峯岸先生や市川先生から「村上選手よりもはやく55号を」と激励されていましたが,残念ながら敗れてしまいました。激励いただける方は左下のいいねボタンを押してください。よろしくお願いいたします。

令和4年9月22日 山内

51.東高運動部躍動 ~新人大会で見せた勢いある若い力 3年生最後の大会で見せた集大成の力~

 東高陸上競技部。大堀監督率いる今や県内屈指の強豪校と言って過言ではないと思います。今回も2年生髙泉温帆選手の走り幅跳び・三段跳びの二冠をはじめ2年生後藤樹生選手が砲丸投げ2位でそれぞれ山形東北大会に進みます。男子フィールド総合で優勝校と2点差の第2位,千葉選手がやり投げで5位,國分選手も400Mで8位入賞と総合で第6位ということがそのことを証明しています。

  

  女子硬式テニス部。部員は2名。1年生の渡邊ゆら選手が県の新人大会個人戦で第3位。ダブルスでも1年生浅原柚杏選手とのペアで第3位。素晴らしい,おめでとう。団体は東北大会があるものの,シングルスとダブルスは東北大会がないそうです。女子ソフトボール部も部員は2名。他校と合同チームを組んで新人大会に臨みます。ラグビー部も部員は2人で他校とともにチームを組んでいます。

 

  県で上位に入った選手はもちろんですが,私はたった2~3人で,しかも他校と合同チームを組むという苦労をしながら活動している東高生のことも誇りに思います。少ない部員でも一生懸命指導いただいている齋藤先生,海野先生,芳賀先生,岡部先生はじめ顧問の先生方にも頭が下がります。結果も大事ですが,その活動内容・過程も大事なのです。

 

  「春高バレー」の男女1次予選も先週末に行われました。6人ぎりぎりながら,自校だけでチームが組めただけでも幸せな女子バレーボール部は2回戦を突破し,2次予選に進むことができました。おめでとう。では,結びに,男子バレーボール部顧問の高橋萌美先生の報告文を紹介して今回の呟きを閉じます。

 『1回戦は勝利したものの,2回戦で敗れ3年生にとっての引退試合でした。試合に負けて悔いは残っているはずなのに,その後の立ち振る舞いはとても立派でした。保護者の皆様も初めての試合観戦ということで感激して観戦されていました。コロナ禍で苦労した世代でしたが,最後に良い試合でした。』

令和4年9月14日 山内

50.宮城県優勝・準優勝の快挙 ~第69回全国国際理解・国際協力のための高校生の主張宮城県予選~

 9月9日(金)国際理解・国際協力に関する弁論大会宮城県大会が仙台二華中高会場に行われ,3年生の

 梁 競元さんが優勝に当たる宮城県知事賞,1年生の中西 咲葵が準優勝に当たる宮城県教育長賞を受賞しました。梁さんは東京の国連大学で開催される全国大会に宮城県代表として出場します。

 

  梁さんの主張のタイトルは「同心協力」,中学時代に経験した「生徒の千票は上の者の一言に及ばない」という理不尽な担任の先生からの言葉からはじまり,ロシアとウクライナの国際情勢から国連の拒否権に関する問題にも言及し,千票の投票の重みがきちんと生かされる社会と様々な違いを持つ世界中の人々が同じ志によってつながる社会を目指したいと心強く訴えたさすがに優勝と思わされる秀作でした。

 

  準優勝の中西さんの主張のタイトルは「本当に甘いチョコレート」,中学時代の授業で,カカオ農場で働く子供たちを知ってからは,大好きな甘いチョコレートの味が,しょっぱくて苦く感じたこと。過酷な労働環境から子供たちを救う第一歩として,フェアトレード(生産者の暮らしを守るために正当な値段で売買すること)製品を買うことにしたこと。日本という平和な国で,当たり前に涼しい教室で清潔な制服を着て,授業を受けられることのありがたさを感じたということ。途上国の貧困や飢餓,国際的な紛争など複雑な問題解決のためには国際社会の協力関係が必要であり,フェアトレードに協力することは決して微力ではないことに気づいたという,とても1年生には思えないような,県の準優勝にふさわしい傑作でした。

 

  「結果よりもその過程」,二人とも今回の結果に辿り着くまでに先生方の指導やご家族の支援、友人の励まし等様々な協力があったかと思います。もちろん自身の努力もです。その過程を大事にしてください。また,今回県大会にこそ進めなかったものの,校内で参加してくれた東高生の努力と勇気にも拍手をおくります。

 

  記念すべき呟き50号は東高生の快挙を報じるものとなり,大変うれしく思います。左下のいいねボタンをよろしくお願いいたします。

令和4年9月12日 山内

 

49.九月のスタート ~東風祭 運動部新チーム公式戦 朝の挨拶運動で良い日旅立ち~

 心配されていた天気にも恵まれて東風祭を無事,実行することができました。公開を楽しみにしていた,小中学生や地域の皆さんには申し訳ありませんでしたが,コロナ禍で3年生の保護者を最優先に人数制限を設けての実施でした。文化祭は文化部員にとっては日頃の活動の成果を発表するとても大切な場です。また,各クラスが,あるいは全校生徒がひとつの制作物に向けて力を一つにまとめあげる素晴らしい日です。

  

  開祭式から後夜祭まであっという間の二日間で,私も久しぶりに現場に戻っての高校生の文化祭でしたので一つ一つの場面が感心することばかりで,本当に東高生のパワーに圧倒されました。開催にあたり様々なご支援をいただいた保護者の皆様,実行委員の生徒諸賢,先生方に心から感謝いたします。

 

  週末は新人大会の先陣をきって,野球部が県大会に臨みました。5回コールドゲームの圧勝でしたが,私と教頭先生と事務次長先生の母校相手でしたので,少々複雑でした。しかし,東高の新しい力の躍動を感じること,故郷の方々との思ってもみない再会等本当に心に残る日となりました。水泳部も新人大会で,総体でも活躍した2年生の佐々木選手が秋田・東北大会へという速報も受けました。

 

  今朝,東高生徒会,有志の皆さんが,六郷小前で六郷小学校・六郷中学校の児童生徒の皆さんとともに挨拶運動に参加してくれました。小中の校長先生方からも感謝されました。地域に少しでも貢献することで,地域に必要とされ,信頼される高校を目指しましょう。九月の始まりは良い日旅立ちです。

 

  今日の放課後は「大学共通テスト」の説明会が国文室で開催されます。10日後には前期末考査もあります。気持ちを切り替えて頑張りましょう。

令和4年9月6日 山内

48.明日からもう九月 ~葉月から長月 災害のない月であってほしい~

 校舎内を回ると各教室から文化祭の準備の気配がして,もうすぐ東風祭だと実感できます。一方で,3年生の担任の先生方が心を込めて作成した調査書が回ってくると,いよいよ就職試験や総合型入試が始まるという緊張感も伝わってきます。東高は東高生のためにあります。

  暦も葉が落ちて秋真っ盛り,文字どおりに夜が長くなります。虫の声も大きくなったような気もします。宮城の魚,秋刀魚の水揚げの声も聞こえてきました。東高の周辺の緑のじゅうたんを見渡すと,「夜長月」よりも稲穂が実る「穂長月」がぴったりくるかもしれません。台風11号の影響や秋雨前線もあってこれからしばらくは秋の長雨の「長雨月」になるかもしれませんが,大きな災害にならないことを祈るばかりです。

  授業も部活ももちろん文化祭も東高生一人一人が主役です。私はいつでも応援しています。ああはやく,九月になれば。

令和4年8月31日 山内

47.夏休み明けの電話 ~時には良い電話もあります 密でない青春文化祭を目指します~

 休み明けの今週,朝早くから事務室の梶原次長先生が電話の対応をしてくれています。コロナをはじめとする体調不良に関するものが圧倒的に多いですが,変わらずに多いのは自転車の運転マナーに関するお叱りの電話。最終的には,生徒指導部の先生や教頭先生あるいは私の所に電話線が繋がりますが,最も高くて熱い状態でのお叱りに対応する者にすべてはかかっています。事務室には本当に頭が下がります。私も元事務職員の端くれとしてご苦労は分かるつもりです。ただ,お叱りの電話は東高生の安全・無事を願ってのものです。厳しいお叱りを聞かない訳にはいきません。ありがたいことです。東高生の皆さん一人一人のマナーに期待します。

 今週は良い電話もありました。7月末に本校マジック部が六郷児童館でマジックショーを開催したときの保護者と児童館の方からの電話でした。「子供たちの目線にあわせて,いやいやではなく,楽しそうに演技を披露してくれました。またこのような機会を用意してください。」といったものでした。

 もう一つは,匿名の方で少しお年を召した女性の方でした。東高近くのバス停で,その方が乗車する際,重くて大きな荷物をお持ちだったそうです。本校の男子生徒二人が荷物を持つのを手伝ってくれたそうです。「ありがとうございました。」と言ったなら笑顔で「いえいえ」とさりげなく答えたそうです。「東高ですか」と聞くと「はいそうです」とこれも笑顔で答えたそうです。「校長先生の学校の生徒さんは立派ですね。年寄りに優しい生徒さんで。文化祭は一般の人は入れなくて残念ですけど頑張ってください。」マジックショーを行ってくれた人や荷物を手伝ってくれた人を探して直接ほめるようなことはしません。ただ,心から感謝しています。本当に誇りに思います。東高生ありがとう。

 気がつけば学校再開から一週間,今月もあとわずか。9月2日,3日は東風祭です。流行語大賞候補「青春って密」のような文化祭はできませんが,感染対策をしっかりして,コロナ禍の青春の思い出に残る2022年,「一人一人が主役」の「笑顔あふれる」東高文化祭開催を目指します。

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令和4年8月26日 山内

46.開講式 ~学校再開~

 昨日の全国高校野球の決勝戦。1915年第1回大会で秋田中学(現在の秋田高校)が決勝で敗れて以来、東北勢は夏9回、春3回決勝戦に臨みましたが、惜しくも準優勝に終わっています。皆さんも知っているかと思いますが、その準優勝の1回が2001年春選抜大会の仙台育英で、その時にエースピッチャーとして活躍したのが野球部監督で1年生英語科担任の芳賀先生です。優勝旗が「白河の関」を越えて東北に渡るかどうか、歴史が変わるかどうか、非常に注目されましたが、見事に仙台育英が東北勢初優勝を飾りました。須江監督とチームメイトだった芳賀先生や東高野球部のTV応援の様子が報道されていましたが、是非とも本校も東北地区のチームも育英に追いつけ追いこせで切磋琢磨してほしいです。

 さて、開講式でも話しましたが、東高の皆さん、是非とも「学力」同様に「人間力」を磨いてください。世の中には高学歴の諸氏は山ほどいます。時折目にする人間性に裏打ちされていない高学歴者は恐れるに足りません。みんなが磨くべきは、学力と同等、いやそれ以上に「人間力」だと確信しております。「人間力」とは言い換えるなら、深い人間性に裏打ちされた品性と言えます。大学入試問題や就職試験は各教科・科目の基礎・基本を忠実に繰り返すならば高得点は十分に狙えます。しかし、品性はそうはいきません。こればかりは「促成栽培」が効かないのです。品性は良き友や先生、良い本との出会いによって磨かれたり、日々の何気ない・さり気ない行動によって蓄積されていきます。日々あたりまえに行っている礼儀作法の中で、出会う人々に不快感を与えないような身だしなみを整える中で、人間力は磨かれて行くものです。ですから東高の先生方からの服装指導や整理整頓に関する助言はとても大切なことなのです。このことは,決して点数化できないものなのです。私はこのことを「目に見えない力」とも呼んでいます。

 今年の東高の重点目標のひとつに「優しい心」を身につけることがあります。コロナのマスクで顔が見えない今だからこそ、コロナでみんなが苦労しているまさに今、「優しい心」が求められています。東高生の皆さん,是非人間力を磨き、「目配り・気配り・心配り」のできる優しい心を身につけてください。以上で今回の呟きは終わりにします。

令和4年8月23日 山内

45.夏季休業中 ~昔とちがう令和の夏~

 専門家の予想では,コロナ第7波のピークは仙台七夕のあたりだと言われていましたが,なかなか高止まりは終わりそうにありません。早く終結してほしいのですが。真夏でもマスクをする生活も3年目です。

 夏休み中でも,敷地内では多くの東高生が学習に部活に頑張っています。エアコンの効いた学習室で受験勉強に励む3年生,職員室前で積極的に質問する3年生,猛暑の中で熱中症対策をして部活に励む1・2年生。

 ひと昔前までは,宮城の夏は全国的にも有名なくらいに涼しく,結果的に梅雨明けしなかったという夏もあるくらいでした。それが今や暑さから県立学校にエアコンが設置されました。鍛え抜かれた運動選手が暑さから足がつっている映像も目にします。今年も夏休み中に豪雨が宮城を襲い,大きな被害を受けた方々もいらっしゃいます。心よりお見舞い申し上げます。「数年に一度」と言われる豪雨が毎年のように続きます。気候自体が変動しているのでしょう。

 ここ数年は明らかに数年前とはちがいますが,変わらないものもあります。それは,簡単に手に入れたものは失いやすいが,苦労して手に入れたものはなかなか失わないということです。そのことを信じて,受験勉強や部活動に一日一日を大事に頑張ってください。東高生も先生方も有意義な夏休みを期待します。

令和4年8月8日 山内

44.夏期課外講習最終日 ~継続は力なり いつでもどこでもぶれない姿勢~

25日(月)閉講式といってもその日から今日まで全学年で夏期課外講習が行われていましたので,東高は通常の授業日のようです。午後は部活で元気な声も聞こえてきます。校舎内では,担任の部活動等の関係で,面談期間内に終えられなかった三者面談も行われています。3年生の課外開講式でも話したように,校外の華やかな夏期講習も魅力的ですが,皆さんのことを良く理解している東高の課外講習も悪くありませんよ。まあ,選択権は生徒一人一人にあります。肝心なのはどちらであっても継続することです。元課外の鬼が言うのですから間違いありませんよ。

 中総体が終わりました。終えたばかりの中学生もたくさん東高オープンキャンパスにきてくれましたが,私の知り合いが指導する泉区の中学校のある競技が3年連続の優勝という快挙。公立中でほとんどがその競技の未経験者というチームの活動を継続させるだけでも大変なのに,県大会で優勝という素晴らしい結果です。実はこの方は私の教え子のお父さんなので指導法を良く知っていますが,技術の指導はもちろん,どこのチームよりも試合の準備や後片付けを徹底して行ったり,笑顔で挨拶したり,周りを思いやったりといった取組や姿勢,つまり過程をとても大切にされている方です。きっと岩手県開催の東北大会でも裏方の仕事を中学生と一緒に行うのだろうと思います。優勝という結果よりも,いつでもどこでもぶれない姿勢を,私は心から尊敬しています。高校と違い,この後の東北中総体を勝ち抜かないと全中には出場できない厳しい世界ですが,陰ながら応援したいと思っています。

 専門家の予想では,コロナ第7波のピークは仙台七夕のあたりだとか。早く終結してほしいのですが。この校長だよりも継続することに意義がありますが,しばらくは夏休みに会わせて休刊します。8月22日(月)に元気にお目にかかりましょう。

令和4年7月29日 山内

43.閉講式と東高オープンキャンパス ~急増するコロナとの戦い~

 25日(月)早いものでもう閉講式でした。東高生に話したことは次のようなことです。

『4月の始業式,今年の目標として「結果や失敗を恐れずに努力・挑戦をし続けること」「目配り気配り心配りを持った優しい心を身につけること」を話しました。部活動を見ていますと結果には恵まれなくとも果敢に挑戦した部が多く,活動の過程や内容を評価したいと思いました。また,運動会等様々な学校行事の中で身の回りの整理整頓,周囲への感謝等随所に優しい心が見受けられました。』

 

『4月の始業式にはもう一つ話をしました。それはグローバル化を目指し,多様性を受け入れ,すべての人々の安全安心を考えるということです。東高でも多くの人がコロナの陽性になったり濃厚接触者となりましたが,その人を特定しようとしたり,誹謗中傷したりしないことがグローバル化への第一歩です。障害をお持ちの方も,海外からの方も当たり前のように受け入れて共に学ぶということ,つまりお互いを尊重し合うことを,東高は1987年の開校時より実践してきました。まだまだコロナとの戦いが続くかと思いますが,夏休み中も,「結果よりその過程」「目配り気配り心配り」そして「多様性の受け入れ」の三つを実践してください。』

 

 26日(火)オープンキャンパスを少人数の午前・午後の二回に分けて実施しました。コロナの急増で開催があやぶまれましたが,参加者の方々にご協力いただき,できる限りの対策を整えて行いました。昨年は台風で,一昨年はコロナで実施できなかったので実に3年ぶりの開催です。午前の部は322人,午後の部は324人と650人ほどの多くの中学3年生と保護者の皆様にお出でいただきました。中には昨日まで中総体を戦った方もいたかと思います。本当にようこそ東高にお出でくださいました。心から感謝いたします。この呟きを見たことある方が少なかったのは残念でしたが,体育館でPRしましたので,きっと良いねの数が伸びると思います。なお,今回ご都合が悪かった場合は10月11日から17日の期間で学校公開を予定しています。お待ちしております。

 

 結びに,25日(月)閉講式に先立って行われた陸上部東北大会と野球部夏の大会報告会で,陸上部鈴木主将と野球部小林主将の「後輩たちに自分たちを超えるように頑張ってほしい」という報告というより,エールが送られました。先輩から後輩への襷リレー,良いですね,感動しました。夏休みといっても今月いっぱい課外は続きます。暑さに負けないで頑張りましょう。東高はいつでもどこでも生徒一人一人が主役です。

令和4年7月26日 山内

42.部活動の終わりと新人の始まり ~先輩から後輩に受け継がれていくもの~

 部活動と言えば,20日(水)東高野球部は8強入りをかけて第3シード校古川学園と戦いましたが,惜しくも1対5で敗れました。しかし果敢に挑戦する,堂々の戦いぶりでした。相手古川学園は,さすがは春の東北大会出場校でした。次も頑張ってほしいと思います。この試合も暑い中,多くの保護者の方々の応援がありました。ありがとうございました。野球部に限らず,最後の大会に向け,特に3年生の保護者の皆様にはご家庭でもコロナ対策に細心の注意を払い,大会参加へのご支援をいただいたことと思います。お陰様で東高は3年生が最後の大会に出場できました。改めて御礼申し上げます。

 

これでほぼすべての3年生の運動部は活動を終えたことになります。新聞では先発投手として力投し,途中からは捕手としてマスクを被った千葉達弥選手の談話が紹介されていました。「自分たちの力を十二分に発揮できず悔しいが,挑む姿勢は見せられた。経験を後輩に伝え来年は16強,8強と勝ち上がってほしい」3年連続2勝しての16強は力がある証拠です。会場では卒業生の皆さんの応援もありました。先輩から後輩に受け継いだものを大切にしてください。

 

盛岡で開催中の東北大会に出場した水泳部2年生佐々木千紘選手は,決勝進出はならなかったものの,次の大会に向けて貴重な経験を得ました。「旧国体予選」の時期ですので,7月に入っての県大会もいくつかありました。3年生が出場資格もある大会もありますが,東高のような受験校は6月の総体が終われば3年生は実質の活動を終え,新人チームがスタートします。サッカー部は延長戦までもつれた試合にPK戦の末惜敗しました。同じように旧チームは県の16強まで進んだ男子バスケット部もよもやの初戦敗退となりました。この悔しい負けを知ったことが新人チームの良いスタートにつながっていくと信じています。こちらも先輩たちから受け継いだものを大切にしながら,自分たちのカラー・スタイルを確立していってください。

 

3者面談が先週15日(金)から始まっています。保護者の皆様にはお忙しいところご来校いただきありがとうございます。分からないことや悩み等を質問してください。なお期間は今週22日(金)までとなっておりますが,担任によっては部活動の大会等の関係で,次週以降に実施されることもありますので,ご了承ください。

 

結びに,本日昼休みに野球部小林陽弥主将はじめ,3年生たちが選手もマネージャーもみな校長室に来てくれました。スポーツ選手は負けた後の振る舞いがその人の本当の価値を決めると言われますが,彼らの振る舞いを見ていてとても安心しましたし,彼らのことを誇りに思いました。解散するにはもたいない良いチームでした。東高の部活で頑張った3年生の皆さん感動をありがとう。お疲れ様でした。さあ受験頑張りましょう。

 

令和4年7月21日 山内

41.野球部3年連続の夏16強 ~燃えろいい東高~

 14日(木)東高野球部は2回戦で昨年の覇者東北学院と戦いました。実は昨年とほぼ同じ状況で,塩釜高との戦いの後,8強をかけて戦った相手です。東高は惜しくも敗れ,逆に相手はその後県の頂点まで駆けのぼり,甲子園まで進みました。この日の会場の仙台市民球場は東北学院から目と鼻の先にあり,相手は数百人の大応援団。声を出すことは禁じられていますが,太鼓やメガホンをたたく音で圧倒されそうな場面が何度も何度もあり,さすがに昨年の優勝校,大声援をバックに一時は1点差まで迫ってきました。

 

 それでも東高はスタンドから多くの保護者の方々や控え部員からの懸命な応援を得ながら,自慢のチームワークと全員野球で対抗。初戦は2対1の投手戦を制しましたが,今回は複数の継投と相手を大きく上回る12安打の猛攻で,7対4で勝利し昨年のお返しをしました。勝利という結果もいいですが,昨年敗れてからのこの一年の過程,春の県大会を逸してからこの二ヶ月の姿勢,そして今大会の内容も私は誇りに思っています。

 

 企業秘密ですべては教えられませんが,驚くべきことは,初戦も今回も芳賀先生が私に説明してくれたとおりに試合が進んでいるということです。偶然でもまぐれでもないということです。相手を研究し,何よりも東高生一人一人の良さを引き出し,その日のコンディショニングを考慮に入れ,常に冷静に試合を運ぶ,本当に素晴らしい監督です。ですから今日も,小林キャプテンはじめ,野球部はみんないい顔をしていました。燃えていました。本当にいいチームだと思います。

 

 予定されていた18日(日)石巻市民球場は19日(月)以降に雨で順延される予定ですが,野球部はまた試合ができることを喜びに思い,いつもどおりに全力で楽しんできてください。「信は力なり」自分を信じ,仲間を信じ,芳賀先生を信じて頑張ってください。私はいつでも応援しています。

 

 結びに余談をひとつ。昔の同僚から野球のお祝いの電話やメールがきました。『「校長の呟き」少々時代遅れだね。古いね。』と余計なお世話です。今年は還暦過ぎても永年の親友同士を継続している元スターたちの楽曲「時代遅れの・・・」が話題になっています。だからこの呟きも古くてもいいのです。野球部はもちろん,東高生の皆さん。今の友達を大事にして,年をとってもずっとずっと親友として付き合ってくださいね。燃えろいい高校。燃えろ東高。

 令和4年7月15日 山内

 

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40.校内英語弁論大会 ~「英語」の東高~

 12日(火)放課後,会議室にて校内英語弁論大会兼宮城県英語弁論大会最終選考会が行われました。各学年からの代表の5人が県大会代表の座をかけて校内最終選考会に臨みました。

 

1年生女子の八島さんは「英語を学ぶことの重要性」について1年生とは思えないような素晴らしい発表でした。1年生男子の気仙沼さんは「地球温暖化」について異常気象が続く今にぴったりのスピーチでした。ふたりは1年生今後が楽しみです。

2年生女子の牛澤さんは「環境問題」についてさすが東高英語科の2年生と感心するような内容・スキル・表現力とも申し分のないパフォーマンスでした。もう一人の2年生瀬川さんは男子で我が国を訪れる「海外からの観光客」について流暢で抑揚もあり,独創性もうかがえる発表でした。

3年生髙橋さんは唯一の3年生で英語科の女子です。自身の空手の経験からの「男女平等」についてのスピーチでやっぱり東高英語科の3年生だなと思わせる発音・リズムや表現力に優れたものでした。

 

髙橋さんの発表を聞いていると今回「男子女子」や「普通科英語科」と書くこと自体間違っているのかもしれませんが,それだけ男子も女子も普通科も英語科もなく,東高全体で取り組んだことを書きたかったので許してください。

 

5人とも素晴らしい発表で,全員を県大会に出場させたかったのですが,各校の枠組みに制限もありますので,3年生の髙橋さんと2年生の瀬川さんのふたりに東高の代表として県大会に進んでもらうことになりました。ふたりは是非さらに磨きをかけてください。

 

いつも言っていますが,「結果よりもその過程」です。5人以外の東高生で今回のスピーチコンテストに挑戦してくれた多くの人に心から賞賛と感謝の拍手を送ります。もちろん指導してくれた先生方にも感謝しています。間違うことへの恐れや人前で発表することへの恥じらいに打ち克って発表した人にだけ味わえる達成感は,どんな賞状・トロフィーよりも価値がありますよね。勇気を手に入れた人は強くなります。

 

気がつけば校長の呟きも40号まできました。これも東高生が頑張っているから書けるのです。東高生の皆さんありがとうございます。

 

令和4年7月13日 山内

39.野球部夏の大会 ~注目されること~

 先週末から野球の夏の大会がはじまりました。9日(土)に東高野球部の試合は石巻市民球場で相手は塩釜高校です。今年の春の県大会でも16強入りし,7年連続で春秋県大会に出場している好チームです。初回に東高が1点を先制しましたが,お互いに要所要所で守り合い1対0のまま終盤を迎える予想通りの接戦となりました。8回に1点を追加して迎えた最終回は相手に1点を返され,なおも2死2塁のピンチでしたが,それを乗りこえ東高が接戦をものにしました。塩釜高校は最後まであきらめずに,チーム一丸となって戦う元気のある予想以上の素晴らしいチームでした。翌朝,勝った東高選手のコメント等は新聞で報じられました。もちろん負けた相手もです。

 

 東高に限らず,野球の特に硬式野球の夏の大会は注目されます。テレビで放映されたり,新聞でも試合はもちろん,監督や選手の談話やこぼれ話まで詳細に報じられます。一生懸命活動してもメディアに取り上げられない部活がほとんどなのですが。一方で野球部の活動には様々な制約があるのも事実です。ほんのささいなミスでも大きく報じられることもあります。みな同じ高校生の部活動なのですが。

 

 私にとっては東高の生徒は一人一人が主役であって,注目される・されないに関わらずどの部活もあくまで高校生の部活動として応援しています。野球部は次も試合ができることを幸せに思ってください。次も全力で楽しんで戦ってきてください。私はいつでも応援しています。

 

令和4年7月11日 山内

 

38.授業の様子 ~授業の主役は~

 今週に入っても暑さは変わらず。先週までよりは高くなくとも30度超えの毎日。さて,実習生の研究授業に参加してきました。2年生の世界史,7月4日に合衆国独立革命からフランス革命とナポレオンという教科書の続きも面白かったですね。5日は3年生の政治経済,単元は東西冷戦。この教科書作成,採択の時期には誰も現在の国際情勢のことを予想していなかったと思います。鉄のカーテン時代の国名・国土を映し出したスライドはとても興味深いものでした。時代と自分自身の年齢も実感しました。「歴史は繰り返す」古代ローマの歴史家クルティウス・ルフスの言葉ですが,どうなりますかね。

 

1年生の生物の研究授業は実際に椅子に座って授業を受けてみました。この授業に限らないことですが,確かにスライドは便利です。しかし,教師は生徒を見ずに,生徒も教師を見ずにお互いに機械やスライドだけを見ているような印象でした。角度によっては見にくい座席もあったかな。できることから対応します。

 

 最後は福盛田主任に案内されて,3階のフロアに足を運びました。総合的な探究の時間です。さすが東高の3年生,発表者のプレゼン力に視聴者のリスニング力。ディバイスだけを見るのではなく,プレゼン時は相手を見ながらの発表。聞き手側のうなずき,合いの手,適度のツッコミ等とても感心させられました。1,2年生にも見せたかったな。

 

研究授業も総探も共通して言えることは一つ,主役は生徒だと言うことです。野球の開会式も無事に開催されました。全選手を代表してあるキャプテンが「平和時に野球ができることの喜び」と選手宣誓していましたが,まさにそのとおりですね。週末は東高野球部が試合です。会場は石巻市民,応援しましょう。東高はいつでもどこでも生徒が主役です。

令和4年7月5日 山内

37.今日から7月 ~七夕もあれば東高周辺の稲穂も膨らみます~

 今週は本当に暑かったですね。連日の30度超え,観測史上最速で梅雨が明けました。昼休みの保健委員からの注意喚起放送のとおり,運動にも制限がかかり,こまめに水分をとりながらの学校生活でした。そんな中でも084運動に参加してくれた有志の皆さん,本当にありがとうございました。私も立ってみてわかりましたが,朝8時前から本当に暑い日々でした。協力に感謝します。朝の元気な挨拶東高生も清々しいです。

 

 いいニュースもありました。水泳部2年生佐々木さんが,県総体200Mバタフライで8位入賞し,盛岡で開催される東北大会出場を決めました。おめでとう。入賞こそ逃したものの,水泳部が日々練習に励み,ベストを尽くしたと顧問の加藤先生から報告を受けました。結果と同じくらい過程と内容重視です。

 

 野球部の抽選会も松島で開催されました。部長の佐藤先生からは,なかなか対戦相手が決まらずに,本当に最後の最後のほうに塩釜高校に決まったのだそうです。塩釜高校とは昨夏の大会でも試合をさせていただいたそうで,ご縁があります。9日(土)石巻会場です。応援しています。

 

29日(水)午後からは学校評議員会が開催されました。新旧のPTA会長吉岡さんと布田さんや光井同窓会長さんに加え,長らく委員をしていただいている岡本さんの4人にお集まりいただき様々なご意見をうかがいました。安保さんは所用で急遽ご欠席されましたが,安保さんから昨年ご指摘の経営計画の「見える化」を実施し,他の委員の方々からも評価していただきました。「結果よりその過程」「一人一人の生徒が主役」に共感しているので,ぜひがんばってと激励されました。

 

祝日がなく,授業日数も22日という一年で最も長く,さらに総決算の総体という中身の濃い六月が終わり,今日から7月,文月です。文月は七夕から由来というのと,稲穂が膨らむ月という説もありますが,今年は相当に暑い日々が予想されます。対策をしっかりして一日一日を大事にしましょう。

 

令和4年7月1日 山内

36.教育実習 ~先輩と先生~

 6月22日(水)から教育実習が始まっています。数学,理科,保健体育,地歴それぞれ一人ずつに,公民が二人の合わせて六人です。期間は2週間,3週間と異なりますが,共通しているのは全員が東高の出身だということです。皆さんの「先輩」でもあり,授業で教わる「先生」でもあります。教える側も教わる側も東高としてとても栄誉なことだと思います。この出会いを大事にしてください。呼び方は「○○先生」かな。

 先週末,仕事のことで二人の先輩に来室していただき,久しぶりに話しができました。お二人とも元校長だった方々ですが,私は「○○先輩」とお呼びしています。お二人も私を「○○さん」「○○ちゃん」と呼んでいます。先生と呼ばれるほどいやな言葉はないと東北出身の文豪が書いていますが,人は必ずしも敬意を込めて「先生」と呼んでいるわけではないことを覚えておくようにと高校の国語の授業で当時の先生から教わったことを思い出します。私は二人の先輩も,高校時代の国語の先生のことも尊敬しています。

 さて,気がつけば水無月もあと数日。084運動も多い週なので,できる限り校門に立って挨拶します。

令和4年6月27日 山内

35.充実した日  ~東高は一人一人が主役です~

 定期考査4日間が無事終了しました。昨年の共通テストや最近の国立大の大学院入試等での不正行為を踏まえ,今年の入試は厳しい制限が予想されることから,その予行練習も兼ねてスマートフォンやスマートウオッチの取り扱い等について厳しい対応を求めましたが,東高生諸賢は誰一人不平不満を言うこともなく,学校側の対応に理解を示し,正々堂々と戦ってくれました。結果よりその内容,その過程です。ありがとう。

 考査が終わると,3年生は中庭で卒業アルバム撮影。一人一人が思い思いのポーズ。主任の福盛田先生はじめ3年生教師団も良い笑顔。アルバム写真は年を重ねるごとに深みを増していきます。

 アルバム撮影が終わるやいなや,課外担当の暁子先生に3年生受講者に話しをするように言われていましたので,少しだけ話をしました。国文室でも言ったとおり,課外は「先生方・学校を信じて最後までやりきること」です。かつての課外の鬼が言うので保証します。「継続は力なり」「信は力なり」間違いありません。

 お昼後,保厚部長渡辺先生企画の「救急救命講習会」が剣道場で開催。運動部のマネージャーや運動部の先生方を中心に40名ほどの受講者。私が顔を出しに行きましたなら,なぜか大爆笑。実は校長が倒れたという想定で,受講者全員が「校長大丈夫ですか。」とAED用の人形に対して実演中だったからです。講師の木村先生は私が教育行政に行く前最後の年に学校現場で一緒だった方。十数年ぶりに再会しました。

 夕方,体育館とグラウンドに行きました。野球部は今週末に組み合わせがあるから,まだまだ戦いは先ですが,もしかすると団体競技のバスケットやハンド,サッカー等はもう新チームでリスタートですかね。充実した日でした。

 

令和4年6月21日 山内

34.東北総体陸上 高校生弁論大会  ~様々な壁~

 青森の地で陸上部の3選手が東北大会での戦いを終え,東高にも戻りました。混成8種の鈴木選手は8位,やり投げの高城選手は10位,三段跳びの高泉選手は13位とあと一歩で全国大会出場はなりませんでしたが,仙台東高の名を東北大会に刻んでくれました。悔しがる選手を見て,もっと選手を伸ばせたのではないかとベクトルを自分の方に向けた大堀監督からは選手を称えてほしいとの報告を得ました。良い選手に良い指導者。東高運動部はこれからますます楽しみです。それにしても東北大会の壁は高く厚いのですかね。

 同じく本日,国際部長の山口先生から3年生の梁競元さんが,第22回高校生日本語弁論大会宮城県大会で堂々の優秀賞(第2位)を受賞したとの報告を受けました。1位だけが出場できる東北大会まであと一歩でした。演題は「壁」。素晴らしい弁論だったということです。今度詳細を紹介します。東高生輝いています。

 令和4年6月20日 山内

33.通学マナーアップ・定期考査・東北総体陸上 ~PTAの方々のご協力~

 先週11日にはPTA役員会が開催されました。ありがとうございました。今週に入ってからは,通学マナーアップ運動期間中でもあり,生徒昇降口にPTAの方々にもお立ちいただいて,生徒にお声がけいただきました。こちらも心から御礼申し上げます。昨日は進路説明会に多くの3年生保護者等の皆様においでいただきました。「PTA週間」のようでした。ご協力に改めて感謝いたします。本当にありがとうございました。

 定期考査中,部活動もなく,静かな東高ですが,青森の地で陸上部の3選手が四国IH目指して陸奥の猛者たちと戦いを繰り広げているはずです。大堀監督からは選手の体調も良いと報告受けました。結果よりも,ベストを尽くして無事に競技を終えてくれることを祈っています。保護者の方々もきっと同じお気持ちかと思います。

 2校時のテストを終え,開放感から勢いよく下校したいところ,3校時の考査受験者への配慮で静かに帰る東高生には「気配り目配り心配り」が感じられてすごくうれしくなります。考査はあと二日,ベストを尽くしましょう。

令和4年6月17日 山内

32.総体報告会・次大会の壮行会 ~スポーツの魅力の一つ「負けを知ること」~

 昨日の総体報告会,各部とも体育館にいる2・3年生と先生方に,また,オンラインで,教室で見ている1年生と先生方に大きな声で周囲への感謝を述べていて,立派な立ち振る舞いで安心しました。水泳部・野球部・東北大会に進む陸上部の決意も並々ならぬものがありました。見ている側の東高生も立派でしたね。

 

 さて,昨日の講話の答え,スポーツの魅力の一つ「負けを知ること」についてです。スポーツには勝ち負けがつきまといますので,「勝者がいれば敗者もいる」「試合で勝つための努力はするが,負けるための努力はしない」「努力しても負けることがある」「試合で勝つとうれしいが,負けると悔しくてたまらない」と当たり前のことを並べましたが,ここからが本論です。

 

 皆さんも経験があると思いますが,『勝者には人は集まりますが,敗者にはなかなか集まりません』勝った時には見ず知らずの人も寄ってきますが,そんな人たちは負けた時には手のひらを返したように来なくなります。つまり,『負けたときに寄ってきてくれる人が本当の友』となります。勝った時より,『負けた時に本当の自分と向き合う』ことができます。これは自分にしかわからないことです。競技を続けるか,あきらめてやめるか,真剣に悩むこともあるはずです。学年や年齢制限がある場合は別として,『負けてもあきらめなければスポーツは続き』ます。自分だけではありません,周囲に対しても同じです。負けた時にこそ,家族,友人,チームや指導者に感謝するのです。つまり,『負けたときの立ち振る舞いがその人の本当の価値を決める』ことになります。負けた時に他人のせいにしないで,自分自身にベクトルを持ってきて再び立ち向かおうとする個人・チームは必ず強くなります。人間的に大きく成長します。負けた時にその逆の行動をとると,その個人・チームは弱体化していきます。私にも苦い経験があります。

 

 負けた時に相手を称える気持ち。勝った時に相手を尊敬する心。負けを知った者だからこそ『勝った時は謙虚に』『負けた時には潔く』行動できるかどうかです。『一生懸命に練習に打ち込んで,一生懸命に戦って,それでも敗れた者だけが味わえるスポーツの魅力の一つ』,それが負けを知ることです。

令和4年6月10日 山内