校長室だより

校長の呟き ~東の空から~

72.卒業式式辞(抜粋) ~一期一会~

卒業にあたり卒業生の皆さんに次の言葉を贈ります。

それは「一期一会」という言葉です。この言葉は茶聖千利休の弟子,山上宗二の「一生に一度の会」が由来になっています。茶の湯における茶会は,庭や茶室,床の間の掛軸や活ける花,客人等のすべてが全く同じでもそれぞれが一回それきりと考えます。そのひと時,その場を同じくする茶会は二度とないため,すべてにおいて最善を尽くします。

 

学校における授業も同じ事です。同じ授業は二度とできないため教師は最善を尽くします。生徒も一時間一時間に集中しなければなりません。「過去」という“かつて”でもなく,「未来」という“これから”でもない「いま,ここ,じぶん」が何よりも大切であるということです。二度と戻ってこないこの時間を大事にしなさい,この出会いは一度きりかもしれないから大切に丁寧に向き合いなさい,というような戒めの意味合いで使われていることが多いと思います。隣にいるクラスメイトや担任の先生方。お世話になった友達の家族も,もしかするとこの卒業式での出会いが最後になるかもしれません。また会えると安易に思わないで今日の日を大切にしてください。またいつの日か会えるよう,お互いに努めてください。

 

未曾有の大震災からもうすぐ十二年。震災は多くの尊い命を奪いました。その中には皆さんと同じ高校を卒業したばかりの若者も含まれていました。震災で命を奪われた人たち,大切な家族を失った人たち。彼らは皆,3月11日が最後となるなど考えもしていなかったと思います。皆さんは彼等の分までしっかりと今を生きなければなりません。今を全力で生きること。「一期一会」という言葉を大切にしてください。

 

さて,私たち教職員は,皆さんの人生の大切な3年間に関わりを持てたことを「誇り」に思っています。

新型コロナによる様々な制約と戦いながら三年間の業を終えられ,仙台東高36年の歴史に新たな1ページを作られた卒業生225名の皆さん一人一人を心から「誇り」に思っています。これからも仙台東高が地域から支持され,中学生が「入りたい高校」であるためには卒業生の皆さんが社会で思う存分活躍いただくことです。ぜひこれからも母校を支援してください。

 

結びに,卒業生の皆さんには,天から与えられた使命があるはずです。天が皆さんに与えた使命とは何かを求めるように生き,その使命を全うするような生き方を送ってほしいと願っています。それぞれの立場で社会に貢献されることを期待しています。皆さんのこれからの輝かしい人生を祈り,卒業に際しての心からの祝辞といたします。

令和5年3月1日 山内

71.3年生登校日,1,2年生は週末から考査 ~校門の横断幕~

 受験の公欠組を除いて,久しぶりに3年生が出校しました。全学年揃うと活気づきます。友達と久しぶりに会って力をもらった東高生も少なくないと思います。もちろん本日受験と戦っている東高生にエールを送りたいです。国公立試験までおよそ10日。3月に入っても受験が続く東高生も多くいるはずです。コロナやインフルエンザ対策をして引き続き挑んでください。

 

気がつけば今週末から1,2年生も最後の考査です。考査受験も大事ですが,約束の提出物等も重要ですので,必ず期限を守って提出してください。頑張れ東高生,私たちはいつでも応援しています。

 

結びに,校門付近の横断幕に気づいた皆さんも多いかと思います。本校英語科11回生の佐藤厚志先輩の芥川賞受賞のお祝いの横断幕です。同窓会の方にお作りいただきました。ありがとうございました。3年生の同窓会入会式は28日に行われます。

令和5年2月13日 山内

70.冬来たりなば春遠からじ ~今日から2月~

 3年生の私大入試がはじまっています。今月末の国公立試験まで受験の試練が続いているかと思います。東高はじめ,全国には3月に入っても受験が続く高校生も多くいるはずです。1,2年生も寒い中,総体に向けて地道に練習に取り組む姿が見受けられます。

表題は英国の詩人シェリーによるものです。先週は特に寒い日が続きましたが,「困難に耐えて努力していれば,必ず良いこともやってくる。」と期待を込めた喩えとして使われる詩です。

 1月・2月・3月はその語呂から「いっきに,にげるように,さりゆく」と言われますが,まだまだつらい日々が続き,長く感じる人もいるかもしれません。それでも着実に春は近づいていると信じたいです。暦では3日が節分,4日が立春です。

令和5年2月1日 山内

69.佐藤 厚志 先輩 おめでとうございます。 ~第168回芥川賞受賞~

 先週は直木賞と芥川賞の受賞者発表がおこなわれました。芥川賞は仙台市出身の佐藤厚志さんが受賞しました。実は,発表の19日の時点で本校英語科11回生だったことは承知していましたが,本人の了解も得ていませんでしたので,公表は差し控えていました。20日朝はやく,同窓会の光井会長さんから連絡をいただき,なんとかご本人に公表の許可を得たいことをお話しし,光井会長さんが校長室に来てくださり,内諾を得たのがお昼前だったでしょうか。報道からの取材を待っていましたが,残念ながら特にありませんでした。

 2017年第49回新潮新人賞,2020年第3回仙台短編文学賞大賞を受賞し,2021年第34回三島由紀夫賞の候補にまでなっておりましたので,今回の受賞は受賞候補の段階から注目されていました。受賞作品「荒地の家族」は宮城に住む植木職人を描いた作品で,震災から10年以上経過した被災地宮城出身の佐藤さんの力作だそうです。書店にいっても売り切れでしたので,なんとか手配して受賞作品を読んでみたいと思います。栄えある受賞の喜びを,東高生,職員,PTAや同窓会等関係者の皆様と分かち合いたいと思います。本当におめでとうございました。

令和5年1月23日 山内

68.共通テスト終了 ~これからが本番 一年で最も寒い時期~

 大学入試共通テストが終了しました。昨年は数学IAが過去最低点の平均37点台で,社会的にも大きな反響を呼びました。バスケットのシュートの軌道に関する出題があった今年の問題は,昨年があまりにも難しかっただけに,だいぶ易化したようです。逆に昨年比較的簡単だった教科・科目は厳しめになりました。毎年その繰り返しのようです。1・2年生も是非チャレンジしてみましょう。

 

 東高130名ほどの3年生も14日・15日の二日間,東北大や学院大等複数の会場にわかれて共通テストと戦ってきました。報告では大きなトラブル等はなかったようですので,少しほっとしています。今日は国文室に集まり自己採点日です。今週末のデータ返却を待ちつつも,2次試験や私大受験に向けて新たなスタートを切ったことと思います。ご家族や担任の先生との面談もありますね。これからが本番です。粘り強く取り組んでください。今週は高校入試の予備調査結果もでるはずです。受験のハイシーズンですね。

 

 阪神淡路の大震災からはやいもので,明日で28年だそうです。あの日も寒い・寒い日でした。暦の上では今が一年で最も寒い時期,授業中の様子を見に廊下を歩くと寒さを実感します。グラウンドのサッカーの授業は本当に寒いですね。今週末20日(金)は大寒です。コロナ以外でも,インフルエンザ流行の報道もあります。3年生は東高で受ける授業日は2週間を切りました。1年生も2年生も寒さ対策をしっかりして一日一日を大事にしましょう。

令和5年1月16日 山内