平成28年度学校生活

カテゴリ:校長通信

みやぎ鎮魂の日挨拶

 3月7日、みやぎ鎮魂の日の集会におきまして、次のような話をしました。


 東日本大震災の発生から11日で6年が経過します。日にちにすると2193日です。2千日以上経過しても、あの日のことを忘れた人は誰もいないと思います。私たちは、あの日恐怖と悲しみに打ちひしがれたと同時に「当たり前の日常がいかに尊いものであるか」「当たり前の日常がやってこないことがいかに恐ろしいことであるか」を思い知らされました。そして、「相手を思いやることの大切さ」「人と人の結びつきのありがたさ」を強く感じさせられました。
 あの大震災を経験した私たちが考えるべきことは、主に3点であると思います。
 まず、第一に「防災・減災意識を高く保ち、最優先で自らの身の安全を確保する」ということです。本校の東側数百メートルまで、津波が押し寄せたという事実を踏まえ、避難訓練には危機感を持って、真剣に参加し、常に安全安心な行動を心がけるということです。
 第二に、「震災の記憶を風化させない」ということです。これは記憶や記録を単に後世につなげていくということでなく、震災の経験を教訓として、「多くの人と知恵を出し合い、地域社会の防災・減災行動に繋げていく」ということです。また、被害が甚大であった仙台市東部沿岸地域では、震災の記憶と経験を多くの方々と共有し、未来へとつなげる取組が行われています。
 第三に、「皆さん自身が復興支援の出来る人材に成長すること」です。本校で充実した学校生活を送り、人としての確かな力を身につけることです。これが復興支援のための大切な行動だと思います。
 福島県では本年度をもって5校の県立高校が休校となります。その中のある高校で3月1日に卒業式が行われました。卒業生代表が答辞の中で「私たちにはバトンを渡す相手がいない」と語ったということです。それだけ、福島では震災復興の道は険しく、厳しいのが現状です。また、様々な心ない風評被害も発生しています。
 震災の記憶の確かさは被害の大きさや復興の進捗状況によって、違いがあると思いますが、私たちが考えるべきは、未だ深い悲しみや苦しみを抱えている方々の気持ちに寄りそいながら、これから生きていく上で震災を教訓とする意識を更に高めていくことだと思います。共に頑張っていきましょう。

開講式校長講話要旨

開講式にあたり、生徒には以下のような話をしました。


 皆さん、明けましておめでとうございます。新たな気持ちで新年を迎えられたことと思います。3年生諸君は、目前に迫ったセンター試験、そして私大入試に向けて、緊張感を持ちながらも着実な歩みを進めていることと思います。風邪など引かないよう体調の管理に十分に留意し、規則正しい生活に努め、強い気持ちで挑んでください。1、2年生諸君は、本校生として充実した学校生活の実現に向けて、必ず明確な目標を持って取り組んでほしいと思います。
 先日、県高野連の主催で高知高校野球部の監督の講演を聴き、直接その監督とお話をする機会がありました。高知高校は甲子園での優勝経験もある全国屈指の強豪校です。この監督はU18、いわゆる高校日本代表チームのコーチを経験したこともある方で、その時の経験から当時の日本代表選手について話されました。今ではプロ野球選手になっているある代表選手は、礼儀の正しさと共に道具をとても大切にしていたこと。自分の野球用具は誰にも一切触れさせず、いつも自分で丁寧に手入れをしていたこと。また、自分自身を的確に分析し、試合前にはビデオを見ながら、昼食もとらず、対戦相手を綿密に何時間も研究していたこと。また、ある投手は自分が登板しない時は、チームのためチームメイトのためサポート役に徹していたこと。ある選手は朝の5時半に起きて、一人黙々と素振りをしていたことなど、どの選手も日頃から野球に対しての意識が極めて高く、それが実際のプレーに表れているということを語っていました。
 また、この監督が自分のチームを指導する時の考えとして、
 「選手一人ひとりが常に目標を意識すること」
 「勝負に勝つためには他のチームにはない武器を持つこと」
 「本気でやらなければ、何もなし得ず、何も見えてこないこと」
 「全力で取り組むことで、人は成長し、その姿に人は感動し、そして応援してくれる」ということなどを熱く語ってくれました。
 人工知能の発達で20年後、30年後の世界では、今ある職業の半分がなくなるとも言われ、現在私たちが生きているこの世界とは全く違ったものになるとも言われています。しかし、未来を想像し、心配したり不安な気持ちになったりする必要はありません。変化はチャンスです。これまでとアプローチは違えども大きなチャンスが広がる世界になるはずです。それゆえ、先ほどの監督の方の話にもありましたが、目の前にある一つ一つの事柄に対し、全力を傾けていくことで様々なものが見えてきます。そして、その姿勢があれば、必ずや新しい世界での成長につながり、大きなチャンスを掴めるはずです。
 寒い季節が続きます。寒い季節であるからこそ、自らの心に火を点し、熱い気持ちで頑張っていきましょう。皆さん一人ひとり、そして本校にとって、輝かしい1年になることを祈念して、講話を終わります。

創立30周年を迎えて

創立30周年を迎えて 

校 長   阿 部  智

  日頃より本校の教育活動に対しまして、ご支援・ご協力を賜り、誠にありがとうございます。本校は今年度創立30周年を迎えることとなりました。これもひとえに長年に亘り、本校発展のためご尽力頂いた多くの方々のお力添えの賜であります。

 本校は宮城県内で初めて英語科併設の全日制県立高校として、昭和62年に創立されました。以来30年という歳月の中で「進取創造」「自主自律」「誠実協和」「強健不撓」の校訓のもと、将来国際社会で活躍し得る地球市民の育成を目指すと共に、地域社会の発展に貢献できる有為な人材の育成に努めて参りました。今年3月を以って、本校卒業生の総数は8千8百名を超え、本県のみならず国内外の様々な分野において活躍しております。

 今後も本校が魅力ある高等学校として、更に発展しつつ、生徒一人一人に「夢と希望」を与え続けることのできる教育態勢の構築を目指しながら、教職員一同全力で取り組んで参ります。皆様にはこれまでにも増して、仙台東高校の発展のため、お力添えを賜りますようお願い申し上げ、ご挨拶といたします。

夏期開講式 校長講話要旨

夏期開講式に際し、以下のような話をしました。

 

 夏休みの期間中、ブラジルでリオオリンピックが行われました。みなさんもご覧になったのではないかと思います。開催前には様々な問題が報道されていましたが、終わってみれば数々のドラマや、感動がありました。選手の勝利に対する凄まじい気持ちは、なかなか真似ることは難しいですが、今日は私がこの期間中に感じたことをお話したいと思います。
 金メダルを取った女子バドミントン高橋・松本ペアが大逆転した試合がありましたが、その時のインタビューが印象的でした。「厳しく辛い練習をしてきた。ここで諦めるわけにはいかない。」「本当の勝負は、追い詰められて苦しくなってからだ。」というコメントです。また、バドミントンシングルスで銅メダルを獲得した奥原選手には、勝負前に決まったルーティンがあるということです。「感謝の気持ち」を表し、「注意すべきことを口に出して言う」、「礼をする」などといったものです。
 こうした話を聞いていると、選手達のメンタルコントロールが非常に優れていることに気づかされます。力量を出すためには、「最後は気持ちである」ということを感じさせられました。
 また、アメリカ大リーグで、イチロー選手が3000本安打を達成しました。この数字は一本一本の積み重ねであり、その時々に秘められた努力なしにはこの数字は生まれないと思います。
 このことからは、何事も小さなことの積み重ねであるということなのだなと感じさせられます。
 これは学校生活でも同じかと思います。勉強であればあと1ページ、10分、英単語1つ。こうした小さな努力がなければ、大きな目標には到達できません。
 みなさんも是非このような気持ちで目標を持って毎日を過ごしてください。
 最後に、この夏は本校の創立30周年記念事業として、校舎内の整備を更新するなどの充実をはかってきました。10月28日には記念式典が予定されています。一人ひとりが感謝の気持ちを持ち、更なる発展を期して取り組んでほしいと思います。

祝 世界パワーリフティング選手権大会 ベンチプレス6位。

 普通科3学年の田中啓左君が校長室を訪ねてきてくれました。
 田中君は6月19日から26日にかけて、アメリカのテキサス州キリーンで行われた世界クラシック・パワーリフティング選手権大会に出場。総合10位、ベンチプレス6位という記録を残しました。
 田中君は、かつて競技者でもあった父親の影響を受け、高校生になってからパワーリフティングの練習を開始。普段は太白区や泉区の体育館を利用して週3回程度練習をしています。
 次の目標は12月4日から11日にかけてニュージーランドのクライストチャーチで行われるアジアオセアニアクラシック。ベンチプレス3位入賞、日本記録更新、トータル500キロなど、具体的な目標を持っているそうです。田中君の今後の活躍に期待します。

祝、宮城県大会C級の部優勝。囲碁将棋部、有働君。

 囲碁将棋部に所属する普通科1年の有働将之君が校長室に訪ねてきてくれました。
 有働君は5月13日に行われた第52回全国高等学校将棋選手権宮城県予選大会に出場し、C級の部で優勝を果たしました。将棋については小学校よりやっていましたが、中学時代は吹奏楽部に所属して一時中断。高校ではもう一度将棋をやりたいと考え、本校に入学すると囲碁将棋部に所属し、放課後熱心に活動しています。
 C級での優勝ということで、残念ながら今回は上部大会へ進めませんが、今後も練習を重ね、次回はA級に出て全国大会を目指したいと抱負を述べてくれました。
 今後の活躍を期待しております。

祝、東北大会出場(陸上部・亀谷君)!

 亀谷怜央君(3年・英語科)が校長室を訪ねてきてくれました。
 亀谷君は 5月27日から30日までの4日間の日程でひとめぼれスタジアム宮城を会場に行われた第65回宮城県高等学校総合体育大会陸上競技に出場し、男子400メートルハードルで第3位となり、見事東北大会出場を決めました。
 東北大会は6月17日から20日の4日間の日程で、青森市で開催されます。亀谷君は、東北大会でも自分の力を十分に発揮し、自己記録の更新とインターハイ出場を目指したいと力強く語ってくれました。大いに期待しています。是非頑張ってきてください。